品質管理(今後の取組みFSSC22000)

1.海外進出を検討する飲食店の希望を叶えるために

菅野製麺所は今後、大阪や名古屋、札幌など関東以外の主要都市にも販路を拡大し、FSSC22000(国際食品安全システム認証)に取り組んでいくことを検討しています。

FSSC22000を取得することによって、海外進出に挑戦したいという飲食店の要望に応えることができるようになります。さらにHACCPで不十分な問題も補うことができるなど、様々なメリットを享受するために取得に向けて取り組んでいます。

2.FSSC 22000とはどのような規格なのか

食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO 22000」、そしてそれを発展させた「ISO/TS 22002-4」を統合し、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定した世界的食品安全ベンチマーク承認規格が「FSSC22000」です。

近年関心が高まりつつあるフードディフェンスなどについても要求事項が盛り込まれており、高い食品安全管理が期待できると考えられます。

3.FSSC22000で対象になる組織

FSSC 22000は「CIAA(EU食品・飲料産業連合)」の支援により、FFSCが開発したスキームです。

対象となる組織は、動物性のものや、傷みやすい植物性製品、常温で長期保存できるもの、添加物、ビタミン、培養物など食品成分の加工や製造を行う組織です。

●ベースとなるのはISO規格

先にも述べた通り、国際的な「食品安全マネジメントシステム規格ISO 」が基準で、食品製造や関連フードサプライチェーンに対応する前提条件プログラムの組み合わせがされたものです。

食品製造の一連のプロセスの中に含まれる場合には、生産現場や輸送での保管も対象です。GFSIに承認されているので、GFSIのガイダンスに示される要求事項と照合しながらベンチマーク評価を行っています。

ベースとなるものがISO 規格という部分で、日本企業が取り組みやすく国内でも認証件数が急速に伸びています。

4.FSSC 22000のメリット

FSSC 22000を取得することによって得られるメリットは様々です。主に次のようなことが挙げられます。

●世界進出が可能に

国際規格であり、FDA監査、ハラール認証にも十分対応できます。

●透明性が向上

食品業界全般に渡り細分化する規格に対処して、組織独自の食品安全プログラムへ容易な統合が可能です。

●効率性が高まる

第三者監査で規制当局の負担が軽減されます。規制当局はこの新規格を審査の第一基準に利用することが可能です。

●コスト削減効果

プロセス効率が優先される効率的監査により、コストを抑えることが可能です。

5.脅かされる食の安全性にも対応可能

昨今では食品に対する異物混入や表示偽装など、細菌やウィルスによる食中毒だけでなく食の安全性が脅かされている状況です。

このような脅威から食の安全を守るために、世界的規模の製販企業が「GFSI」を創設し、フードディフェンスを強化する食品安全マネジメントシステムのスキーム基準が設けられたと言えるでしょう。

●FSSCに設けられた項目の内容

国際規格である「ISO(食品安全マネジメントシステム)」にフードディフェンス等が盛り込まれた一般衛生管理の具体的手法が追加されていますので、HACCPでは不十分な問題を補うことができると考えられるでしょう。

食品製造事業者などが取り組みやすい規格であるのも特徴で、具体的には施設に対するアクセス管理や、ポケットのない作業服を着用すること、ガソリンを使用したフォークリフトを食品製造エリアで使用することを禁止するといった内容で約200項目設けられています。

●安全な食品提供が可能

食品安全規格を取り入れることにより、最終消費者に安全な食品を提供するといった目的を高い水準で達成することができます。廃棄食品の不正利用などを防止することも期待できるでしょう。

6.顧客の不安にも迅速に対応するために

製麺業界の中でもトップクラスと言われることに恥じない品質管理体制の徹底を心掛けていることで、年々取引件数は増え品質に関する問い合わせも多くなっています。

そのような中、菅野製麺所では、食品情報のデータベース化を進めビジネスの可能性を広げる取り組みも始めました。問い合わせがあった時に迅速に対応できるように、商品規格書をデータベース化しています。

食品事故の話題がメディアを賑わせることで、食に対する不安が高まるのは無理がありません。最近では要求される項目も多くなってきたことで、エクセルで管理していた商品規格書を、2016年からはデータの管理システム「BtoBプラットフォーム規格書」で管理することに変更しました。

運用が本格化することにより、取引先の問い合わせにも時間をかけずに答えることができるでしょう。また、問い合わせがあった時にすぐ対応できるように、営業担当者が出先からでもパソコンによる確認を可能とする予定も立てています。

7.様々な取り組みで万全な管理体制を構築

FSSC22000を始め、様々な取り組みを今後も検討していく予定です。高い商品開発力、そして徹底した衛生管理により、幅広い消費者ニーズに応えることができるように、ますます躍進していきたい考えです。