食品業界における信頼性の確保と市場競争力の強化のために、多くの企業が注目しているのが「FSSC22000」という国際的な食品安全認証スキームです。この認証は単なる衛生管理だけでなく、企業のマネジメントシステム全体を対象とする広範な要件を持っており、導入することで世界的な取引にも対応できる仕組みが整います。特に重要となるのが、「FSSCの要求事項」と呼ばれる運用上のガイドラインです。この記事では、FSSCの要求事項がどのような構造を持ち、何を求めているのかを、初めてFSSCに触れる方にも分かりやすく解説いたします。
目次
- FSSC22000の全体構造と要求事項の位置づけ
- 基本となるISO22000のマネジメント要素
- 業種別PRP(前提条件プログラム)の役割
- FSSC独自の追加要求事項とは
- まとめ
1. FSSC22000の全体構造と要求事項の位置づけ
FSSC22000は、ISO22000(食品安全マネジメントシステム)を基盤とし、業種別のPRP(前提条件プログラム)、そしてFSSC独自の「追加要求事項」という三層構造によって成り立っています。これらすべてを満たしてはじめて、FSSC22000の認証が可能になります。
つまり、FSSCの要求事項とは、単なる衛生管理を超えて、企業が食品安全をどのように運営・改善・保証するかという「包括的な方針と実施方法」を示すものです。この中には、法令遵守だけでなく、リスクに対する備えや、全社的な意識づけなどが含まれます。
2. 基本となるISO22000のマネジメント要素
FSSCの中核をなすISO22000は、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であり、HACCPの考え方に基づいた構造となっています。ここでは、経営陣の関与、組織のリスク分析、目標の設定とレビュー、教育・訓練、パフォーマンス評価など、マネジメントシステムの一連のサイクルが要求されています。
特に近年の改訂により、ISO22000は「リスクに基づく思考」を重視する構造となっており、全社的な戦略と食品安全の活動を統合することが求められています。
3. 業種別PRPの役割
PRPは、業種に応じた衛生管理の基礎的要件を定めたものであり、FSSC22000においてはISO/TS 22002シリーズがその内容を担います。たとえば、食品製造業にはISO/TS 22002-1、飲料製造にはISO/TS 22002-6、包装材にはISO/TS 22002-4など、対象業種によって適用されるPRPは異なります。
これらには、施設の設計、交差汚染の防止、洗浄・殺菌、害虫管理、製品の保管・輸送など、衛生管理の具体的な方法が盛り込まれており、実際の現場運用に直結する重要な要素です。
4. FSSC独自の追加要求事項とは
FSSC22000の特徴的な点は、ISO22000とPRPに加えて、FSSC独自の「追加要求事項」があることです。これには以下のような項目が含まれます。
- サービスや供給者の管理に関する基準
- ラベル表示の検証
- 食品防御(Food Defense)対策
- フードフラウド(食品偽装)防止策
- アレルゲン管理の明確化
- 製品の撤去・回収の手順
これらの追加要求事項は、近年の食品リスクの多様化に対応したものであり、信頼性の高い製品供給を行うために欠かせない視点となっています。
5. まとめ
FSSCの要求事項は、単なる認証取得のための条件ではなく、企業が食品安全を通じて持続的に信頼を得るための「経営の指針」として位置づけるべきものです。ISO22000のマネジメント要素、業種別のPRP、そしてFSSC特有の追加要件が三位一体となり、実効性のある食品安全体制を築き上げることができます。
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