ウーバーイーツや出前館といったフードデリバリーサービスの利用が定着する中、多くの飲食店が「どうすれば出来立ての美味しさをそのまま届けられるか」に頭を悩ませています。特にパスタは「のびやすい」「冷めやすい」といった理由から、デリバリーには不向きと思われがちですが、実は“生パスタ”だからこそ、他店と差がつく対応が可能です。本記事では、飲食店経営者の視点から、生パスタのデリバリー展開におけるメリット・課題・成功のための工夫について段階的に解説します。
目次
- なぜ今、生パスタがデリバリーで注目されているのか
- 乾麺と違う“もちもち感”がリピートを生む
- デリバリー対応のためのパスタ設計と工夫
- 容器・盛り付け・タイミングで差が出る
- まとめ
1. なぜ今、生パスタがデリバリーで注目されているのか
コロナ以降、デリバリーは“イレギュラーな選択肢”から、“日常の食事の手段”へと大きく進化しました。ランチにオフィスで頼む、夜に家族で注文する、週末にちょっと贅沢をする——そういったニーズに応える商品力が求められています。
その中で生パスタは、「専門店でしか味わえない」「乾麺とは違う特別感」「見た目にも美しい」といった付加価値を備えており、他のデリバリー商品と明確に差別化できるジャンルになっています。また、もちもちした弾力が冷めても比較的保たれやすいため、上手に設計すれば“家庭での再現度が高い料理”としてファンを増やすことが可能です。
2. 乾麺と違う“もちもち感”がリピートを生む
生パスタの強みは、何と言ってもその食感です。もちもちとした弾力、適度な噛み応え、ソースとのなじみやすさ——これらは乾麺ではなかなか再現できない要素であり、食後の満足感に直結します。
デリバリーにおいては、「家庭でお店のような味が楽しめるか」がリピート率に直結するポイントですが、生パスタはそれを叶えやすい素材です。特に、太めのタリアテッレやフィットチーネなど、のびにくく存在感のあるタイプは、ソースとの相性もよく、冷めても食感が残るためデリバリーに最適です。
3. デリバリー対応のためのパスタ設計と工夫
一方で、生パスタはデリバリー用に多少の調整が必要です。例えば、通常より少し固めに茹でる、ソースは多めにして乾燥を防ぐ、具材の火入れは過加熱を避けて再加熱に備えるなど、厨房での“デリバリー専用仕様”を意識することが重要です。
また、製麺所と連携することで「のびにくい」「冷めてももちもち感が残る」「温め直しやすい」仕様の特注生パスタを用意することもできます。実際に、デリバリー専用に加水率を高めたモチモチ麺を使用し、人気メニューに育てた店舗もあります。
こうした調整を行うことで、料理人の理想に近い一皿をお客様の自宅でも再現できるのです。
4. 容器・盛り付け・タイミングで差が出る
料理が完成してからお客様が口にするまでに、少なくとも15〜30分のタイムラグがあるのがデリバリーの常です。この時間を考慮した容器の選定や盛り付けが極めて重要になります。
おすすめは「麺とソースを別盛りにして提供する」方法です。お客様に到着後に和えてもらうことで、麺の風味を保ち、テイクアウト特有の“ベチャつき”や“酸化”を防げます。また、レンジ対応の容器や、調理説明カードを添えることで、「温め直しの完成度」も高まり、満足度アップに直結します。
さらに、店舗側で「作ってから渡すまで何分」「その後到着まで何分程度かかるか」といったオペレーションの流れを数値で把握しておけば、麺の茹で加減・ソースの粘度などの最適化もしやすくなります。
5. まとめ
生パスタは、デリバリーの現場においても十分に“武器”になります。素材としての強みだけでなく、特別感や食感、ソースとの相性など、家庭では再現しにくい「プロの味」をそのまま届けられる可能性を秘めています。
もちろん、調整や容器の工夫、時間の計算といった手間は必要ですが、それを乗り越えれば、デリバリーという新たな収益チャンネルを、しっかりと収益化することが可能です。
もしあなたの店舗が、すでに生パスタを使っている、あるいは今後導入を検討しているのであれば、ぜひ“デリバリー対応メニュー”としての展開も視野に入れてみてください。デリバリーでも感動を与える生パスタの可能性は、まだまだ広がっています。
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株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。
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