食品を安全に消費者の元へ届けることが、食品業界全般の目的の1つと言えます。それを実現するために最も重要視されるのが、食品衛生と安全管理です。FSSC22000とは、食品安全管理の実践を確実化させる目的の、マネジメントシステムとなっています。
FSSC22000に関する概要
ISO22000に対しHACCPシステムとISOマネジメントシステムのほか、前提条件プログラムや追加要求事項をプラスする形で強化されています。食品安全におけるマネジメントシステムとしての国際規格となっているため、HACCPと比べ、食品全般の安全性が強化されています。
FSSC22000財団が開発した食品安全システム規格で、国際食品安全イニシアチブにより承認されているスキームで、食品小売業者のほか製造業なども取得しています。主に、ISO22000・前提条件プログラム・追加要求事項の3パートで構成されているのは前述の通りです。
特色として挙げられるのは、バージョンアップの多さと言えます。ISO規格では10年ごとに更新しますが、こちらは1~2年で更新を行っています。また、3年に最低1回以上のペースで事前の告知なしで突発的に行われる非通知審査が設定されます。
それにより、定められた衛生管理・品質管理の体制が常時確実に実施されているか、チェックされるわけです。この規格の対象となる企業組織は、腐敗リスクのある動物性と植物性にこれらを混合した各種製品を扱う食品製造業者に限りません。常温で保存することを前提とした商品や化学製品、そして食品を包装するために欠かせない資材に関連する企業も含まれます。
それら対象とされる業種について、全6種類のカテゴリーに分類されます。これらのような体制から、消費者の方に食品を安全に提供する、食品安全におけるマネジメントシステムが確立されることとなります。
取得するときに得られるメリット
FSSC22000取得によって、主に2つのメリットが期待できます。1つ目は、会社内部の衛生・品質管理体制構築など内部的メリット。もう1つとしては、消費者や契約先からの信頼性が高まる対外的メリットが考えられます。
内部的メリットとしては次のものが挙げられます。商品製造に関する管理手法の一貫化、食品安全を脅かすハザードの明確化です。それにより食品を提供する際の安全性におけるリスク低減に貢献することとなります。
製造工程を可視化することにより無駄を排除し、作業効率などが改善され、サプライチェーンの全体的管理に結び付けられるわけです。また、従業員全般におけるモラル強化や衛生・品質・安全の各種意識向上と強化にもつながっています。
対外的メリットとしては、消費者(顧客)からの信頼と信用の獲得が挙げられます。安全と安心が保証された製品とサービスを広めることで、取引の上で有利に作用するわけです。それ以外にも、海外を含む取引の要件が達成できるほか、コンプライアンス促進、サプライチェーン間の取引などにおけるコミュニケーション円滑化、企業価値向上に貢献できます。
まとめ
FSSC22000とは、ISO22000を基礎として、食品安全に対する管理実戦を行うマネジメントシステムです。HACCPを根本に据え、あらゆる要素を加味しながら、さらに安全な食品製造などができる規格とされています。
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