なぜ無くなった!?冷凍食品の4割引き販売

少し前まで近所のスーパーであった冷凍食品の4割引き販売、この頃見かけなくなったと思いませんか?以前は頻繁にあったのに、どうして無くなったのだろう?と不思議に思っている方もいるのではないでしょうか。今回はそんなあなたの疑問を解消します。

冷凍食品に定価は無い

4割引きと聞くと、ほとんどの人は”定価の4割引き!?お得だ”!と思ってしまいます。しかし、実は冷凍食品を始めとする食品類には、定価という物はありません。あるのはメーカー希望小売価格だけです。

定価とメーカー小売希望価格のちがいが何なのかを解説します。定価と言うのは、書籍や新聞、タバコ、音楽CD、DVDなど、小売店が独自に価格設定をする事ができない物の値段の事です。

これに対してメーカー希望小売価格とは、あくまでメーカーが小売店に対して、”この価格で売ってもらいたい”と希望しているだけで、拘束力はありません。ですので、冷凍食品の4割引き販売というのは元々定価があるわけではなく、あくまでもメーカーの小売希望価格から4割引いて販売していた物なのです。

冷凍食品が4割引き!買わないと損?

それでも、4割も引いてくれるのなら十分お得じゃないか?と思う人もいるかと思います。
しかし、先述の様にメーカー希望小売価格には拘束力は無く、実際の販売価格は小売店の裁量にゆだねられています。
ではなぜ、スーパーマーケットなどの小売店は4割引きで販売できるのでしょうか?その秘密は、小売店がメーカーから仕入れている価格とメーカー希望小売価格の”差”にあります。

実は、小売店がメーカーから冷凍食品を仕入れる価格は、メーカー希望価格から4割引いた価格よりもさらに安い価格なのです。4割引き販売というのは、決して小売店が赤字覚悟で行っている物ではなく、きちんと儲けは出ているという事です。

そしてもう一つ見逃せないのは、”冷凍食品4割引き!”という謳い文句に誘われてきた消費者は、ついでに割引価格ではない通常価格の商品も買っていく事が十分期待できるという事です。

その為、かつてスーパーマーケットでは頻繁に冷凍食品の4割引き販売を行っていました。
スーパーマーケットの折り込みチラシや店頭のPOPで、”冷凍食品全品4割引き!”などという宣伝を以前は多くの人が目にしていた事でしょう。

しかし、現在、その様な広告を目にする事はほとんど無くなっています。その事について不思議に思われている方は、少なくないのではないでしょうか?

実は現在、ほとんどのメーカーではメーカー希望小売価格を設定していないのです。これは1980年代から2000年代初頭に掛けて、どこのお店でも日常的にメーカー希望小売価格から大幅に割引いた価格で販売をしていた為です。

”いまなら4割引き販売!”と言っても、それはいつも通りの価格であったり、他店と比べて特に安いわけでもないのに消費者を勘違いさせてしまうという懸念が高まった為です。消費者保護の観点から、こういった表示は無くなり、その原因であったメーカー希望小売価格そのものが廃止されて現在に至っています。

まとめ

今回は、スーパーマーケットなどで冷凍食品の4割引き販売が無くなった理由を解説しました。

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