FSSCとISOの違いを項目別に解説

FSSCとISOの違いを項目別に解説

FSSCとISOは、いずれも食品安全管理における国際的な認証規格ですが、対象範囲や管理体制に違いがあります。特に食品業界では、FSSCがISOの一部の基準を含むため、目的に応じた使い分けが重要です。それぞれの特徴を項目別に確認してみましょう。

目次

  1. 認証の概要
  2. 適用分野
  3. リスク管理の方法と範囲
  4. 管理体制の違い
  5. 認証取得プロセス
  6. 更新および監査の頻度
  7. メリットと活用例
  8. まとめ

1. 認証の概要

FSSC:
FSSC 22000は、ISO 22000を基盤に、食品安全に特化したISO/TS 22002や追加要求事項を組み合わせた包括的な食品安全システムの認証規格です。GFSI(グローバル食品安全イニシアチブ)の承認を受け、食品製造業者、包装業者、流通業などの業界で使用されています。

ISO:
ISOは国際標準化機構が策定する認証規格で、食品安全のISO 22000以外にも、品質管理のISO 9001や環境管理のISO 14001など、あらゆる分野で活用できる汎用的な規格を提供しています。食品業界に限らず、品質や環境、労働安全といった複数の分野で導入されています。

2. 適用分野

FSSC:
FSSCは食品業界や関連業界に特化しているため、食品製造、包装、流通、飼料製造、農業などの分野で採用されています。食品安全に特化していることから、食品製造業においてグローバルな信頼性を構築しやすい特徴があります。

ISO:
ISO規格は、食品に限らず、あらゆる業界で導入が可能です。ISO 22000以外にも、ISO 9001(品質管理)やISO 14001(環境管理)など、異なる分野や業種に向けた規格が多数存在し、幅広い業種に対応しています。

3. リスク管理の方法と範囲

FSSC:
FSSCではISO 22000のHACCPシステムを基にしながら、ISO/TS 22002による詳細な前提条件プログラム(PRP)を含めた管理が求められます。これにより、食品製造プロセス全体を通じたリスク管理が可能となり、原材料の管理から最終製品の流通まで広範囲にリスク管理が適用されます。

ISO:
ISO 22000においてもHACCPによるリスク管理が基本ですが、FSSCと比較して前提条件プログラム(PRP)が具体的でないため、FSSCのように特定業種向けの詳細な指針は含まれていません。ISOは各組織が独自に必要なリスク管理を定める柔軟性を持っています。

4. 管理体制の違い

FSSC:
FSSC 22000は、ISOのフレームワークに追加要件を設けており、食品業界における管理体制が非常に厳格です。ISO 22000を基にしつつも、業種別の要求事項を詳細に定義し、各製造工程や流通プロセスに特化した運用が求められます。

ISO:
ISO規格は業界横断的であり、FSSCのような業界固有の追加要件はありません。したがって、食品業界においても標準化されたマネジメントシステムの枠組みを提供し、柔軟な管理体制を構築できる点が特徴です。

5. 認証取得プロセス

FSSC:
FSSCの認証取得には、ISO 22000とISO/TS 22002の要件を満たしたうえで、食品製造や流通における追加要件の準備と実施が必要です。取得プロセスには専門的な指導が推奨され、一定の期間を要しますが、国際市場での信頼性が向上します。

ISO:
ISO認証の取得には、各組織がISO規格に基づいたマネジメントシステムを構築し、外部の審査機関による監査を通過する必要があります。特にISO 22000の取得は食品業界での基本的な認証とされ、企業の信頼性向上につながりますが、導入はFSSCよりも容易です。

6. 更新および監査の頻度

FSSC:
FSSCの更新と監査は、年次の監査と3年ごとの更新が必要です。また、規格が改定される場合には適宜対応する必要があり、食品安全の最新基準に基づいた管理が義務付けられます。

ISO:
ISOも定期監査と更新が義務付けられていますが、FSSCのように年次更新が強制されるわけではなく、基準も柔軟に適用可能です。監査の頻度や更新プロセスは、認証機関と企業の協議で決定することが一般的です。

7. メリットと活用例

FSSC:
FSSC認証を取得することで、特に食品の安全性に敏感な欧米市場において高い信頼性を獲得できます。国際的なサプライチェーンにおいてもFSSCは優位性を持ち、輸出や外部パートナーとの取引を円滑に進めやすくなります。

ISO:
ISOは業界を問わず広く認知されているため、食品業界以外でも高い信頼性を構築できるメリットがあります。また、ISO 22000は食品業界の基礎的な安全基準として定着しており、基本的な食品安全を確保するための認証として普及しています。

8. まとめ


FSSCとISOは、いずれも食品業界における重要な安全管理認証規格です。FSSCは食品製造における厳格な管理体制を提供し、ISOは業界横断的に適用できる柔軟な管理を可能にします。食品製造業においては、FSSCが特に厳格な要件を提供しており、食品安全の信頼性向上に大きく貢献する一方で、ISOは業界を問わず幅広い分野で信頼性向上のために活用されています。

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