FSSCとISOの違いとは?食品安全マネジメントの基礎

食品業界において品質や安全性を確保するための国際的な認証制度には、「FSSC22000」や「ISO22000」があります。どちらも食品安全マネジメントシステム(FSMS)に関する国際基準ですが、企業に求められるレベルや構成要素には違いがあります。本記事では、FSSCとISOの違いを体系的に理解し、導入を検討する企業がどのように選ぶべきかを丁寧に解説します。

目次

  1. ISO22000とは何か
  2. FSSC22000とは何か
  3. ISO22000の基本構造と特徴
  4. FSSC22000の基本構造と特徴
  5. ISOとFSSCの主な違い
  6. 認証取得の目的別で選ぶ
  7. まとめ

1. ISO22000とは何か

ISO22000は、食品安全マネジメントシステムに関する国際標準規格で、食品の製造から供給までの各段階において食品安全を確保するためのガイドラインを示しています。HACCPの原則に加えて、リスクベースの考え方や経営層の関与など、組織的な視点からのマネジメントも重視されています。

2. FSSC22000とは何か

FSSC22000(Food Safety System Certification)は、ISO22000に追加要素(ISO/TS22002シリーズなど)を加えて、より実務的・詳細な食品安全管理を実現するための認証スキームです。GFSI(グローバル・フード・セーフティ・イニシアチブ)によって承認されているため、グローバルサプライチェーンにおける信頼性が高いのが特徴です。

3. ISO22000の基本構造と特徴

ISO22000は、HACCPの7原則と12手順をベースに、マネジメントシステムの要素(PDCAサイクル、コミュニケーション、管理レビューなど)を統合したフレームワークで成り立っています。中小企業から大企業まで幅広く適用可能で、食品製造業以外にも飼料や包装材など、関連業種にも対応できます。HACCPだけでは不十分なマネジメント構築が求められる場面で効果を発揮します。

4. FSSC22000の基本構造と特徴

FSSC22000は、ISO22000の枠組みに加え、「前提条件プログラム(PRP)」を詳細に定めたISO/TS22002シリーズ、さらにはFSSC独自の追加要求事項を含みます。具体的には、アレルゲン管理、食品防御、食品偽装対策、サプライヤー管理などが強化されており、より実務に即した内容です。大手小売業やグローバル食品メーカーでは、FSSC22000の認証取得が求められることもあります。

5. ISOとFSSCの主な違い

大きな違いは「GFSIの承認有無」「PRPの具体性」「追加要求事項の有無」です。ISO22000はGFSI承認規格ではなく、PRPの具体的な基準が含まれていません。一方、FSSC22000はGFSIに承認されており、国際的な取引において強い信頼性を持ちます。FSSCは、ISO22000よりも実務的で、第三者に対してアピールしやすいのが利点です。

6.認証取得の目的別で選ぶ

自社の食品安全を内部的に整備し、基本的なマネジメント体制を構築したい場合にはISO22000が適しています。一方で、海外輸出やグローバルチェーンへの納品を行っている場合、FSSC22000の方が要求に対応しやすく、ビジネス上の優位性が得られる可能性があります。また、クライアントの取引条件に「GFSI認証が必要」と記載されている場合は、ISO22000では条件を満たせないためFSSCを選択する必要があります。

7. まとめ

FSSCとISOはどちらも食品安全を支える国際的な認証ですが、目的や取引先、リスク対策の深度に応じて選ぶべき認証が異なります。ISO22000は「システムの基礎固め」に向いており、FSSC22000は「国際競争力のある食品安全管理」に特化した構造です。自社の事業規模や展開方針に合わせて、最適な認証スキームを選び、持続的な食品安全体制の構築を目指しましょう。

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