食品の安全性がかつてないほど重要視される現代において、HACCP(ハサップ)はすべての食品等事業者にとって欠かせない衛生管理手法となっています。特に義務化以降、規模の大小を問わず、HACCPに基づいた衛生管理をいかに実施するかが問われています。本記事では、HACCPの考え方と衛生管理の実務について、段階的に分かりやすく解説します。
目次
- HACCPとは何かを理解する
- 従来の衛生管理との違い
- 衛生管理計画の作成と運用
- 現場における日常の管理ポイント
- スタッフ教育と習慣化の重要性
- 小規模事業者が取り組む際の工夫
- まとめ
1. HACCPとは何かを理解する
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、「危害要因分析・重要管理点方式」と訳されます。食品の製造工程において、どの段階で微生物汚染や異物混入などの危険が生じうるかを分析し、それを未然に防ぐための重要管理点(CCP)を設定する仕組みです。これは「問題が起きてから対処する」のではなく、「問題が起きないように設計する」予防型の衛生管理です。
2. 従来の衛生管理との違い
従来の衛生管理では、清掃の徹底や従業員の身だしなみなど、いわば“感覚的”なルールが多く、管理基準もあいまいでした。しかしHACCPでは、すべての工程を数値や記録で管理し、「いつ・誰が・何を・どうチェックしたか」を明確にします。そのため、仮に問題が発生した際にも原因特定や再発防止がスムーズです。
3. 衛生管理計画の作成と運用
HACCPに沿った衛生管理を実施するためには、まず「一般衛生管理」と「HACCPの7原則に基づく計画」の2つを策定します。前者には、手洗い・器具の洗浄・温度管理など基本的な衛生項目が含まれ、後者では具体的にCCPを設定し、そのモニタリングや記録方法、改善手順を明記します。これを作成して終わりではなく、日常的に運用・更新し続けることが大切です。
4. 現場における日常の管理ポイント
例えば、加熱殺菌が必要な工程では「中心温度を85℃で1分間保持」といった具体的な基準が設けられます。この基準を毎日記録することで、工程の安定性を確保します。また、冷蔵庫の温度管理、器具の洗浄回数、従業員の体調管理など、日常の管理項目を見える化し、記録簿として残すことが求められます。
5. スタッフ教育と習慣化の重要性
HACCPを成功させるためには、スタッフ全員がその意義を理解し、日々の業務として自然に取り組めるよう教育することが不可欠です。単なる「チェックリスト作業」ではなく、「なぜそれが必要か」を伝えることで、自主的な衛生意識が生まれ、継続的な品質向上につながります。
6. 小規模事業者が取り組む際の工夫
中小規模の飲食店や惣菜業者にとって、HACCPはハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、厚生労働省などが示す「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は、現実的な範囲で導入できるよう簡易化されたガイドラインです。身近なところから、たとえば冷蔵庫温度の記録を付ける、衛生チェック表を用意するといったことから始めていくと良いでしょう。
7. まとめ
HACCPによる衛生管理は、単なるルールではなく、食の安全と信頼を守るための「仕組み」です。業種や規模を問わず、現場ごとにできることから取り組むことで、事故やトラブルの予防はもちろん、商品やサービスの信頼性向上にもつながります。長期的にはコスト削減や顧客満足にも貢献する衛生管理として、今後も欠かせない要素であるといえるでしょう。
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