FSSCとHACCPの違いを項目別に解説

FSSCとHACCPの違いを項目別に解説

食品業界での安全管理の基準として、FSSCとHACCPはともに重要視されていますが、対象とする範囲や運用方法に違いがあります。それぞれの特徴や違いを項目別に見ていきましょう。

目次

  1. 認証の概要
  2. リスク管理の範囲
  3. 対象分野と適用範囲
  4. 導入プロセスと費用
  5. 監査・維持管理の頻度と基準
  6. 認証取得のメリット

1. 認証の概要

FSSC:
FSSC 22000はISO 22000に基づいた食品安全システムの国際的な認証規格で、GFSI(グローバル食品安全イニシアチブ)にも認証されています。FSSC 22000はISO規格を土台とし、HACCPに加えてさらに詳細な管理が求められます。

HACCP:
HACCPは、食品の製造工程に潜む危害要因を見つけ出し、リスクの高い管理点(CCP)での安全管理を徹底するシステムです。国際的な認知度が高く、食品安全の基本的な枠組みとして広く導入されています。

2. リスク管理の範囲

FSSC:
FSSCでは、食品の安全管理だけでなく、品質管理や労働環境、安全に関する包括的な管理も対象です。リスクの特定からCCPの設定、製造・流通における品質保持まで、広範なリスク管理が行われます。

HACCP:
HACCPのリスク管理は、主に製造工程における食中毒の防止や異物混入の防止に焦点を絞っています。工程中の危害要因に対して必要な管理点(CCP)を設け、監視・管理するシステムです。

3. 対象分野と適用範囲

FSSC:
FSSCは主に食品製造業、包装材料、食品物流、飼料など、広範な分野で導入が進んでいます。また、ISOのフレームワークに準拠しているため、企業全体のマネジメントシステムと統合しやすく、国際的な食品供給チェーン全体で適用可能です。

HACCP:
HACCPは食品や飲料の製造工場、レストラン、食品流通業者など、特に食品の生産工程に特化しています。規模に関わらず食品取扱業全般で採用されているため、飲食店から大規模工場まで幅広く活用されています。

4. 導入プロセスと費用

FSSC:
FSSCは認証取得に際して、ISO 22000の理解と、各製造工程の詳細なシステム構築が求められます。FSSC認証の取得には高額な費用と複雑な導入プロセスが必要ですが、国際市場への参入や多国籍企業のサプライチェーンの一員としての信頼性が向上します。

HACCP:
HACCPの導入には、食品安全の基本的なリスク管理体制を整えるための費用がかかりますが、FSSCに比べると費用負担は少ない傾向にあります。また、各国で基準やガイドラインが提供されているため、小規模の食品事業者でも導入しやすいのが特徴です。

5. 監査・維持管理の頻度と基準

FSSC:
FSSC 22000の監査は定期的な外部監査が行われるほか、内部監査や更新が義務付けられています。運用プロセスやドキュメント、従業員教育も徹底され、より細かい基準に基づく監査が必要です。

HACCP:
HACCPの場合、外部監査の頻度や厳格さはFSSCよりも少なく、従業員教育や日常的な管理は工場や事業者に任されています。HACCPの導入後も、定期的に工程の見直しや更新が推奨されますが、FSSCに比べると柔軟な管理が可能です。

6. 認証取得のメリット

FSSC:
FSSC 22000の取得は、国際的な食品供給チェーンで信頼を高め、輸出や海外市場参入において優位性を得られます。また、消費者や顧客からの信頼向上や、食品製造の工程全体に対する品質・安全管理の強化につながります。

HACCP:
HACCPを導入することで、基本的な食品安全対策が整い、国内外での食品安全基準をクリアするための最低限のリスク管理が可能になります。また、導入コストが比較的低いため、小規模事業者でも取り入れやすく、基本的な食品安全の体制を整えることができます。

7. まとめ

FSSCとHACCPは、食品安全に関する管理方法として共に大変重要ですが、目的や導入範囲、管理の厳密さには違いが見られます。FSSCは総合的な管理を目指す大規模食品事業者に向いており、HACCPは基本的なリスク管理に適したシステムです。それぞれの特徴を活かし、食品業界の信頼性と安全性向上を図ることが重要です。

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