人間が初めて宇宙空間で食事をしてから、約55年の時が過ぎました。「HACCP」とはNASAが開発した、宇宙で安全に食事を摂る為にできた衛生管理法です。2020年6月には、日本の食品業界でも導入が義務づけられました。私たちの身近な存在となったHACCPについて詳しくご紹介します。
NASAによって生み出された「HACCP」
米国第35代大統領J.Fケネディは1961年の議会演説にて、人類を月に送ることを国民に約束しました。長期間の宇宙飛行には食料が必須です。その宇宙食には、完全な衛生性が求められました。「絶対、宇宙空間で食中毒を起こしてはならない」からです。
月面に人類を送るアポロ計画のためにNASA(米国航空宇宙局)では、壮大な宇宙開発計画が立てられました。これによってインスタントコーヒーに用いられている「凍結乾燥技術(フリーズドライ)」や、レトルト食品の「レトルトパウチ技術」などの重要な技術が開発されました。
それらと共につくられたのが、HACCPです。日本語では、「危害分析重要管理点」です。難しい言葉が並びますが意味は何かというと、食品の製造から販売までの工程を継続的に管理するという衛生管理方法です。
衛生的につくられたかを検証する手段として、従来は抜き取り検査が行われていました。抜き取られたものが衛生的ならば、残りも大丈夫だろうと推定するものになります。しかし全数を検査しているわけではありません。
たまたま抜き取った物が安全だったということもあります。宇宙食ではそれでは不安が残ります。そのために100個の食品があったら100個安全であることを保証する方法として、HACCPがNASAによって開発されたのです。
宇宙技術が私たちの日常へ
ハサップを活用した製造は、その後の宇宙食にすべて取り入れられています。またこれまで衛生性を確保した食品管理として市販の食品でも導入するよう厚生労働省が企業に推奨してきましたが、2020年6月から法律の改正により食品業界に導入することは、義務となりました。
現在、私たちがスーパーやコンビニなどで手に入れる多くの食品にHACCPが用いられています。食品を安心して口にいれることができるのも、人類が月に行こうとしたことから生まれ、宇宙食に用いられている食品管理が私たちの食事にも同じく用いられている為なのです。
まとめ
NASAが開発した食品管理法であるHACCPは、今や私たちの食卓に並ぶ食品管理にも取り入れられています。人類が月に行くために必要とした技術が、私たちの日常に大きな革命をもたらしたのです。国内食品業界では現在、国内だけでなくアジア諸国への市場開拓が注目されています。食品業界の食の品質管理に対する意識はこれからもさらに高まっていくことでしょう。
菅野製麺所の皮類製造現場は、全国製麺協同組合連合会のHACCP高度化計画の認定を受けていますので、安心して召し上がっていただけます。餃子やシュウマイ、肉まん、あんまんなどの点心を家庭の食卓で楽しめます。こだわりぬいた食材と製法で作られたひと味違う点心をぜひご賞味ください。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。