【はじめに】
ラーメン・・・
中華麺のつるつるとした食感と、濃厚なスープのコンビネーションは多くの人々を魅了してきました。
今や日本人はもとより、欧米の旅行者や発祥の地であるはずの中国圏の方々にも愛食され、日本の代表食といっても過言ではないでしょう。その影響でラーメン店の数も32000軒以上(2017年当時)になり、それぞれの店舗が「麺に工夫」「スープの味に工夫」「いやいや量こそが全て!」と独自の路線でしのぎを削っています。
この記事では、中華麺で使われる小麦粉とその種類の特徴に焦点を当ててみていきたいと思います。
【灰分と蛋白】
中華麺に使われる小麦粉には「灰分」と「蛋白」という数値が示されています。
なぜ表示されているのかというと、ズバリこれが中華麺の「質とコシ」にダイレクトで関わってくるからです。
灰分は小麦粉中のミネラル分を表していて、これが多ければ小麦粉の色がくすんでゆき、逆に少なければ白くきれいな小麦粉になります。
蛋白は小麦粉に含まれているたんぱく質をしめしていて、グルテンのもとになるようです。グルテンは中華麺のコシの強さに関わってきますので、「蛋白の数値こそがコシの強さ」と言えるでしょう。
【中華麺に特徴を出す小麦粉の種類】
以下に代表的な小麦粉を見ていきましょう。
・龍王(灰分:0.32 蛋白:11.3)
小麦粉の色は明るく、給水・粘弾性・伸延性に優れています。風味も強く、もちもちっとした食感の中華麺にぴったりです。
・特天龍(灰分:0.33 蛋白:11.2)
変色に強く、吸水性も高く、優れた中華麺用粉です。小麦粉の旨味を味わいたのならこれがおすすめ。
・竜神灰分 (灰分:0.36 蛋白:11.4)
シコシコとしたしっかりとした食感が特徴であり、歯切れも良好な中華麺になります。風味にも優れています。
・S特天龍
S特天龍(灰分:0.35 蛋白:10.6)
白い色調が特徴で、麺自体に小麦粉本来の旨味があるところは上記の特天龍と同じですが、ソフトでつるつるとした食感のある麺に仕上がります。
【まとめ】
今回は中華麺の小麦粉に注目してきました。
テレビなどではラーメン店のスープの材料・こだわりに目が行きがちです。しかし中華麺もやはりラーメンのおいしさの「要」でしょう。
スープも多種多様・中華麺も多種多様。ラーメンの味は日本国内だけでもほぼ無限の可能性があるのです。
その地域にあった小麦粉を使うことでお客さんのニーズに合い、また逆に別の種類の小麦粉を使うことでお客さんの層にブレイクスルーを起こせるかもしれません。
今回の記事を参考に自分の中華麺スタイルを追求してみてはいかがでしょうか?