食品関連の製造業が製品を安全に提供するためのシステムには複数の種類と、そして、複数の非常にややこしいスキーム(枠組み)があります。それらを認証する団体もそれぞれ違っており、どの基準が国際基準なのか分からなくなってしまいがちです。今回は各システムの違いを解説し、各システムを認証する団体またFFSCについても見ていきたいと思います。
様々な食品衛生管理システム
食品衛生管理システムには様々な種類があり、その違いを一つ一つ見ていきたいと思います。
HACCP
HACCPとは、安全な食品を製造し提供するための管理手法のことです。「危害分析重要管理点」と訳され、あらかじめ危害(微生物や異物の混入など)が起きやすい工程を分析し、その工程を重点的にモニタリングして管理するという手法です。全製品について管理するので、抜き取り検査とは大きく異なります。
このシステムの認証団体は次の通りです。
①厚生労働省の認証機関
②地方自治体によるHACCP認証
③業界団体認証
④民間審査機関による認証(ISO22000など)
HACCPのガイドラインは、国連食糧農業機関 (FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関であるコーデックス委員会から発表された国際基準です。
ISO22000
ISO22000は「食品安全マネジメントシステムーフードチェーンに関わる組織に対する要求事項」の国際標準規格です。
ISO22000の内容は、HACCPシステムの手法を、ISO 9001を基礎としたマネジメントシステムとして運用するために必要な要求事項を規定しています。
つまり、[ISO22000=HACCP+ISO 9001] と理解してほぼ間違いないです。
FSSC22000
FSSC22000とは安全な食品を消費者に提供する国際規格であるISO22000を、より安全に実践するためのマネジメントシステム規格です。
その内容は[FSSC22000=ISO22000+セクターPRPに対する技術仕様書+FSSC独自の追加要求事項] となっています。
FSSC22000は非営利団体「GFSI」に承認を受けた規格で、国際的に認められた食品安全規格であることの証明となります。
このシステム(FSSC22000)を開発したのがFFSC(食品認証安全財団)です。
FFSC(食品安全認証財団)とは
FFSCはThe Foundation of Food Safety Certificationを略したもので「食品安全認証財団」と訳されます。2004年に設立され、オランダのホリンヘムにオフィスがあります。
前述したようにFSSC22000は、食品安全マネジメントシステムの一つで、FFSC(食品安全認証財団)がISO22000とISO/TS22002-1(前提条件プログラム)を組み合わせて開発した規格です。
現在、全世界でFSSC22000の認証を受けているのは16,594件で、日本国内では1,367件(2017年時点)となります。
FSSC22000のメリット
社内的なメリットとして挙げられるのは、以下の通りです。
①従業員の食の安全・安心・信頼への意識の向上
②リスクマネジメントを考慮した効率的な食の生産
③フードディフェンス(食品防御)の強化
社外的なメリットは、以下の通りです。
①取引先要件を満たすことが可能
②今まで以上に食の安全・安心・信頼を顧客に提供することができる
③原料から消費者までのサプライチェーンの管理が可能となる
まとめ
ここまで、食品関連の製造業が製品を安全に提供するための複数あるシステムの違いを解説してきましたが、その中身はとても複雑でわかりにくいかと思います。しかし、これらのシステムを導入することによるメリットは計り知れないといえます。国際的な競争がより激しくなる時代、そこを有利に進むために導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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