飲食店を開業する場合の登記

会社を設立した場合には、会社の登記が必要となってきますが、店舗を開業するには登記は、別の申請事項になります。今回は、飲食店で登記が必要な開業について紹介していきます。

■登記が必要な開業とは

開業することと登記することは、別の申請事項となります。開業届は、保健所によって申請届を行いますが、登記の場合は会社設立のために法務局に申請することになります。

つまり登記が必要な場合とは、申請者が個人事業の場合は必要なく、法人事業として始める場合に法人の登記を行います。事業の規模から考えた場合に1000万円以上の売り上げが見込める場合には、法人登記をした方が税金などのあらゆる面で、有利になります。

■登記をする流れ

飲食店の開業だけではなく、会社法人として事業を始める場合には、登記を申請することになります。

1=商号や事業目的の決定を行います。
・商号とは、会社を設立するための名前となるものです。同一の住所の場合に、同一の名称は使用できません。漢字やひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字の使用となります。

社名の最初か最後には、「株式会社」や「合同会社」をつけることです。事業と関係のない商号は不可です。有名な商号を引用することはできません。不正競争や商標権の侵害にあたる場合があります。

・事業目的とは、何を行うのかの事業内容を具体的に明記します。営利目的が適法であることを示すことが必要です。法務局の審査で理解される内容であることが大事でしょう。

2=定款の作成。
定款(ていかん)とは、会社のルールであり法律のようなものです。会社の事業内容や会社役員の選任など、あらゆる規則を決めて会社の方向性などを表すものです。

3=資本金の支払い。
会社を運営するにあたって発行される株式の資金のことです。資本金の最低金額が撤廃されて1円でも可能となりましたが、会社の資本となる金額ですので「営業力や運転資金」となるべきものなので慎重に決めるべきでしょう。(およそ半年ぐらいの運転資金をめどに設定します)

資本金を1000万円以下の場合に消費税の免税を受けることができます。「発起人の銀行口座」や「発起人の代表の口座」で支払いを行います。(普段から使用している通帳でも可能)振り込みをした場合のコピーを取りましょう。

◎資本金の払込証明書作成
資本金の合計が代表発起人から支払った証明をするものです。「本店所在地」「会社名」銀行の通帳に資本金を振り込まれた日付の記載。銀行通帳のコピーには、

①「表紙のコピー」
②表紙裏側の「支店名」「口座番号」「口座名義人」の明記されたコピー
③資本金が記載されたページのコピー

が必要です。払込証明書と3つのコピーに会社の代表印を押印しておきます。

4=必要書類と登記申請書の作成
・登記申請書は、代表や取締役、監査役の就任承諾書が必要です
・登録免許税納付用台紙には、登録免許税に収入印紙を購入し貼ります。
・OCR用申請用紙または磁気ディスクの提出。文字を読み取るOCR専用の用紙。CD-Rなどのディスクによる記載の提出も可能。
・発起人の決定書は、本店がある具体的な所在地を発起人が複数いる場合の過半数の決定を証明する文書。
・就任承諾書は、取締役が1名の場合は不要ですが、複数の場合には、設立時の取締役、代表取締役、監査役の就任承諾書を作成して提出します。
・その他にも「現物物資」(資本金を現金ではなく車や不動産で行う)の時の調査報告書、財産引継書、資本金の証明書が必要です。
・印鑑証明書は、代表の物。(後に役員の印鑑証明の登録も必要な場合もある)

5=登記の申請
登録免許税の支払いには約150,000円が必要です。

◎申請から登録までの期間
約1~2週間で謄本が作成されます。法務局での受取となります。

■まとめ

飲食店で登記が必要な開業について紹介しましたが、事業内容は、飲食店だけでなく一般の法人企業もおなじ手続きになります。個人事業から始める場合には登記はいらないので開業は早いですが、事業規模から1000万円を基準に判断すると良いでしょう。

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