一口に中華麺といっても、その製造工程を工夫することで、様々なバリエーションが生み出
されることは、店舗経営者なら容易に想像することはできると思いますが、麺の製造を生業とする製麺所の麺には、個人経営店舗における自家製麺では真似をすることが難しい、製造工程におけるノウハウが詰まっています。今回はその製造工程の中で最も基本となる、原材料である小麦粉の取り扱いについて見ていきましょう。
■原材料の選別
中華麺の原材料は大きく分けると
①小麦粉
②かんすい
③卵
となっています。その中でも小麦粉の選別や配合、取り扱いが中華麺のおいしさと差別化をはかる大きなポイントといえます。
■製麺所では小麦粉ブレンドが基本
小麦粉はそもそも植物ですので、その育まれた地域や風土、気候といった環境条件にその原材料としての個性が大きく左右されることはご存知でしょう。自家製麺をうたう店舗においては、そういった小麦粉の産地や生産者に拘る方も少なくないはずですが、それでも自家製麺の品質を保つためには不十分なのです。
単一銘柄の小麦粉のみに頼る場合、ワインの原材料となるブドウと同様、その生産地や銘柄に品櫃を頼る必要が出てきますし、その育成状況が毎年異なるといった、不確定要素を考えた場合、その品質均一にすることがいかに難しいか、容易に想像できるのではないでしょうか。
このため、製麺所では厳選した複数銘柄の小麦粉をブレンドし、常に安定した品質の中華麺を生み出す努力を常に行っています。そのブレンドノウハウや品質管理手法は、個人経営の店舗の自家製麺では、実現することが不可能と考えて間違いありません。
■小麦粉の運搬
カンノ製麺では原材料となる小麦粉の運搬から、その配慮がスタートします。専用のローリー車で温度、湿度を管理しながら運搬を行います。
自家製麺を考えた場合、ここまでの配慮を行った運送を行うことはほぼ不可能ですし、仮にできたとしても運送にかかるコストを考えた場合、現実的ではないことがご理解いただけるのではないでしょうか。
■貯蔵への配慮
製造ラインに輸送された小麦粉は、サイロ(=貯蔵庫)に納められます。ただしこのサイロ、一般的な金属製ではなく布製のサイロを利用しています。
原材料の小麦は粉状となった段階から劣化が始まります。小麦が粉状になるということは、それだけ酸素に触れる状況(=酸化しやすい)が生まれますし、品質劣化の大敵である水分を引き寄せやすいといった状況につながります。
金属製サイロの場合、設備としての耐久性も高いですし気密性も高く、理想的な保存環境が作れそうなイメージがありますが、実は気温や湿度の変化に敏感に反応し、その内部で結露(=水分)を発生させやすく、結果として小麦粉の品質を劣化させてしまうのです。
布製サイロであれば通気性をコントロールし結露を抑えることができることから、小麦粉の品質劣化を防ぎ、安定して高品質な中華麺を生み出ことができるというわけです。
菅野製麺では、オリジナリティ溢れる300種類以上の生麺を製造しています。あらゆる調理方法にも対応できるように創意工夫がなされています。必ず満足できる麺に出会えると思います。どうぞご検討くださいませ。新店開業にも菅野製麺の製品をご利用ください。