食品安全管理の標準化とFSSCの関係

食品安全について、日本政府もグローバル化を目指す為に、農林水産省によって平成29年に食品安全管理の参考となる資料を発表しました。今回は、その資料から読み取るFSSCの関係を紹介していきましょう。

食品企業をめぐる現状

世界の食品業界においては、国内の食品の安全だけでなく、国境を越えて食品の安全のボーダーレス化を目指す事や、世界基準になる為の共通した規則や意識の取り組みを図る事が、重要だと考えています。

食品の安全は原料や材料、資材など、自国の物ではない物を扱うこともあるので、多くの国が共通の意識で取り組む事で、はじめて食品の安全が最大に発揮できるのです。国によっては、食品の取り扱いが衛生上好ましくない、あるいは不衛生極まりないとまで感じる国もあるのです。そのような国に対しても、自分達のルールを押し付けるのではなく、世界の標準や基準にまで達する事が、その国にとっても食品の安全を確かなものにすると、指導する事が必要なのです。

日本も国際標準から比べると、まだまだ徹底されていないと感じます。何故ならば、「HACCP(ハサップ)義務化」で、食品の安全を守る事になっていますが、認証機関による取得については定めていないのです。同じように、ISO(食品安全のマネジメントシステム規格)やFSSC22000(食品安全の認証システム)も徐々に増えてきてはいるものの、食品安全に対する取り組みは、まだまだといえます。

原料と製造と梱包と流通、小売りや販売、サービスにおけるまで、すべての段階で食品安全の取り組みがなくては不完全であり、危険要因の排除は不確実なものとなるからです。

民間による取引

民間によっては、取引先の指定や要求によって、認証機関での取得を積極的に目指しています。食品工場や製造に関わる食品業界では、度重なる「異物混入」や製品の表示偽造などが問題となっている為に、積極的にならざるを得ないのです。

民間による食品安全の課題

・取引監査が多くあり、これによる安全管理コストが増大する
・商圏、商品、製造現場の変化によって、適合する安全管理を求める必要がある
・海外市場を意識した安全を取り組む必要がある
・HACCPの導⼊率の伸び悩み
・衛⽣管理不⼗分による⾷中毒事故の発⽣がある

国際的な認証機関の導入

HACCPやISOとFSSC22000の認証機関による認証によって、食品の安全への取り組みが、確実に実施されている事が証明されるのです。なお、FSSC22000については「HACCPやISO」で、不十分な要素を追加して取り入れた仕組みなので、食品安全の為には総合的な見地からも、FSSC22000を導入する事は最大の取り組みであると認識しています。

HACCPを含む食品安全管理の認証の仕組み

認証機関は国内向けや国際向けがあります。

1-日本国内での認証の仕組み=「JFS-A/B プログラム」での認証
・日本国内の一部の自治体によるHACCP  
・日本全国の業界によるHACCP

2-国際取引で使われている認証=「JFS-Cスキーム」
・「規制認証」EUのHACCPと米国HACCP
・「民間認証機関」ISO22000やGFSI承認スキーム、FSSC22000、他にもSQF, BRC 等

FSSC22000 とは

HACCPを基にして、ISO22000の取り組みと追加による要求事項で成り立ちます。

1-マネジメントシステム
トップマネジメントや、組織体制とPDCAサイクル
※PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返す事で、生産管理や衛生管理を継続的に改善します。

2- 一般的衛生管理
清掃や虫の管理、原材料管理などです。

3-HACCPの手法
危害要因分析をして、重要管理点を定め管理して記録をとる方法です。

※1.2.3.は、ISO22000の取り組みです。

4-追加要求事項
・スキームオーナーに対する要求事項
・認証機関に対する要求事項
・認定機関に対する要求事項

※スキームオーナーとは、食品安全の規格とその認証スキーム(仕組み)を所有し、運営・維持する主体の事です。導入した組織や認証機関の事を言います。この場合は、導入した組織(会社)です。

認証機関と認定機関の違い

国際的な適合性評価の世界においては、明確に使い分けています。
「認定(accreditation)」と「認証(certification)」に分けています。
・「認定」とは、「ISO 9001やISO 14001」などのマネジメントシステムの認証などを国際基準に従って、公平と透明による認定審査を、公式に認め、登録する事です。

・「認証」は、「マネジメントシステム、要員、製品」に対して規格の要求事項を、第三者によって審査して登録する仕組みになります。「1.マネジメントシステム認証」や「2.要員認証」と「3.製品認証」の分野で審査します。

まとめ

FSSC22000 の説明では、食品安全の手法や安全管理においては、HACCPからISO22000の内容を含む認証として、今後の食品安全管理の標準化となるべき取り組みと言えるのです。

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