冷凍食品の常温解凍・適した食品や注意点について

冷凍技術の発達により、今や様々なレパートリーを持つに至った冷凍食品。おいしく安全に頂くには、その冷凍食品に適した方法で解凍することが重要です。そのうちの1つである常温解凍は、どのような食品に適しており、注意すべき点としてどのようなことが挙げられるでしょうか?

冷凍食品とは

そもそも冷凍食品には、どういったものが該当するのでしょうか? その定義について確認しておきたいと思います。一般的には、以下の4条件を満たしたものが冷凍食品とされています。

1)前処理されている
原料について、洗浄をはじめ、適切な大きさへの切り分け・下ごしらえ・調理などの前処理がなされた後、冷凍されていることを指します。

2)急速冷凍されている
食品の組織が壊れ変質してしまうのを防ぐため、急速に凍結されることを意味します。

3)適切な包装
消費者すなわちお客様の元に届くまで、汚れたり型くずれしたりしないよう包装されることです。

4)マイナス18℃以下で保管
生産から販売に至るまで、一貫してマイナス18℃以下で管理されることが求められています。

解凍方法について

例えばアイスクリームなどのように、冷凍状態のまま頂ける食品もありますが、たいていの冷凍食品は何らかの方法で解凍する必要があります。主な解凍方法としては、以下のものが挙げられます。

a)常温解凍
室温に一定時間置く解凍方法。

b)低温解凍
冷蔵庫内など低温状態で解凍する方法。品質的劣化を抑えられるメリットがある反面、時間が掛かるというデメリットがあります。

C)流水解凍
密閉状態で流水にさらし解凍する方法。肉・魚・野菜など未調理の冷凍食品限定の解凍と言えるでしょう。

d)急速解凍
電子レンジの機能を用いた解凍方法です。短時間で終了できる反面、解凍にムラが生じやすい点があります。

e)加熱解凍
冷凍状態のまま加熱調理する方法です。前処理で下ごしらえや調理が行われている冷凍食品で多く用いられる方法と言えるでしょう。

常温解凍について

前項でも触れた常温解凍について、詳しく見ていきたいと思います。解凍方法としては、冷凍のまま調理するよう表示されている加熱解凍対象の冷凍食品以外に適用すると言えるでしょう。

冷蔵庫に置く低温解凍ほど時間を要さず、電子レンジによる急速解凍のような解凍ムラのリスクがなく均一な解凍が行えます。室温に一定時間置くだけなので、流水解凍のような手間も掛かりません。特徴的には、低温解凍と急速解凍の中間に当たるものと見なせるでしょう。

また、前処理段階で調理済みの冷凍食品には、常温解凍でも食べられる種類も見られます。例えば、朝、凍ったままの状態で弁当に詰めておけば、昼食時にはちょうど食べごろになっているといった使い方が可能です。

一方、常温解凍には、食品に細菌が繁殖しやすいというデメリットがあります。細菌が繁殖しやすい温度は、種類にもよりますがおおむね5~60℃の間となります。室温内に食品を放置しておくと、それだけ多くの細菌が発生することになるわけです。

とくに高温多湿となる夏場や梅雨の時期には、細菌が引き起こす食中毒のリスクが高まると言えるでしょう。そのような危険性があることを踏まえ、常温解凍を行う際にはあまり長時間室温に置かないよう注意しなければなりません。

また、常温解凍後には細菌対策としてしっかり加熱調理することも重要です。凍ったまま弁当に入れるタイプの冷凍食品を利用する際にも、あまり長時間放置することなく適度な時間帯に召し上がるよう気を付けましょう。

これは通常の弁当においても当てはまることと言えます。常温解凍を行う場合には、細菌のリスクに充分注意することが重要となるわけです。

まとめ

以上のように、冷凍食品や解凍方法の基本について確認しながら、常温解凍の特徴について見てまいりました。常温解凍を安全に行うには、細菌繁殖を考慮に入れ、食中毒リスクについての対策を取ることが必要です。

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