バジルは家庭でも育てやすいハーブとして親しみやすい植物です。しかし、歴史をたどると様々な逸話がありロマンにあふれています。イタリアではバジルソースを用いたジェノベーゼが有名です。ここでは、バジルとジェノベーゼについてお伝えしていきたいと思います。
バジルとは
葉にクローブに似た甘い香りを持つこのハーブは古くから尊ばれてきました。
バジルは紀元前に活躍したアレキサンダー大王によってインドからヨーロッパに伝えられたものと言われ、16世紀にイギリスに伝わり、その1世紀後にはアメリカに渡来しました。
インドではヴィシュヌ神とクリシュナ神に捧げられた神聖なハーブとしてバジルの1種、ホーリー・バジルを扱っています。伝統的な医学ではまた、トゥルシと呼ばれ、ジュースに用いています。
惚れ薬としての言い伝えも多く残っています。モルダヴィアではバジルの枝を手渡された若者は、その娘を永遠に愛するようになるといいます。イタリアでは恋人に会いに行く若い娘はバジルを髪飾りとしていたようです。
バジルの効能
バジルの魅力の1つが、ファイトケミカルをふんだんに含んでいることです。ファイトケミカルとは、別名「植物栄養素」とも呼ばれる、ビタミンやポリフェノールなど、ヒトが体内で作り出せない成分のことです。
例を出すと、バジルに含まれるポリフェノールは、加齢によって低下する抵抗力を支える働きがあります。この抗酸化作用成分によって、病気になりにくくしています。
バジルの葉をすり潰したときに出てくる香り成分には、リラックス効果があり、心や体の疲れを癒します。
カンファーオイゲノール、リナロールなどの香り成分は、鎮静作用もあるので、ホルモンバランスが崩れてイライラしているときや月経痛を和らげる働きがあります。また、成分の一つ、アネトールは頭痛や腹痛にも効果があります。
バジル100gにおけるβカロチンの量は、6300μgで、ほうれん草の4200μgよりも多く、カルシウムも、240mgあり、牛乳の110mgよりも多いです。
バジルを用いた生パスタ・ジェノベーゼ
ジェノベーゼソースはイタリアのリグリア地方発祥の伝統的なソースです。最も有名な食し方はパスタと和えることで、この地域ではショートパスタにサヤインゲンやジャガイモを加えるのが伝統的です。
またこのソースは「冷たい」ことが特徴の一つです。大理石でできたすり鉢にバジル、ニンニク、松の実、粗塩、エクストラバージンオリーブオイル、ペコリーノ・ロマーノ、パルミジャーノ・レッジャーノを入れてすり潰します。火を使わず冷たいソースとなります。バジルとチーズがあわさり、濃厚な風味が生まれます。
まとめ
身近な食材であるバジルですが、その謂れや効能を知ると女性の心をつかむと思われます。生パスタのジェノベーゼとして提供する際に、このような情報を添えるとお店の雰囲気も変わってきます。
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