形成した生地に乾燥処理を施して市販される乾燥パスタと、乾燥させない状態で料理に用いる生パスタ。そのような工程の違い以外に、食材として料理に用いる上で両者にはどのような相違点が現れてくるのでしょうか。それぞれの長所短所を踏まえながら見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
生パスタと乾燥パスタは、その製造工程のみならず、麺としての特徴にも異なる点が見られます。とくに大きな違いと言えるのは、それぞれの材料です。
乾燥パスタは、原料となる小麦について、限られた品種を用いています。パスタの本場イタリアでは、乾燥パスタは原料にデュラムセモリナの小麦粉のみを使うよう規定が設けられています。
また日本のJAS規格においても、乾燥パスタに該当する乾麺はデュラムセモリナあるいは強力粉のファリナを原料としたものと定められています。このように、乾燥パスタでは原料が指定されているため、食材としての特徴も限られたものになるわけです。
原料が一律であるため、乾燥パスタには歯切れの良い食感という共通した特徴を持つことになります。
一方、生パスタについては、とくに原料を指定されていません。どんな種類の小麦粉を使うか麺の作り手自身で決められ、特徴のあるパスタを作り出すことも可能です。例えば、パン用の小麦粉を使うことで麺自体に風味を利かせ、パスタ料理の味わいをより深めることもできます。
使われる材料によって特徴は変化しますが、概ね生パスタはモチモチした食感が持ち味とされています。
調理面における乾燥パスタと生パスタの主な違いは、それぞれの茹で時間と言えるでしょう。乾燥パスタにはおよそ7分~12分前後の茹で時間を要します。反面、生パスタは生地に水分が含まれた状態で調理されるため、2分弱~4分程度の短時間で茹で処理が完了します。
それぞれの長所と短所
乾燥パスタと生パスタはそれぞれの特徴に準じて、使い方によって有利な点と不利な点が現れます。適材適所で使い分ければ、各々の長所を引き立てると共に、欠点をカバーすることも可能です。
生パスタの長所としては、麺自体の味わいを楽しめるという点でしょう。生パスタには乾燥パスタのようにデュラムセモリナなど特定の品種の小麦に限定される縛りがありません。麺そのものに特徴を付加でき、それによって料理のアレンジやレパートリーの拡大に繋げられるでしょう。
その一方で生パスタには、加熱後に麺が伸びやすくなるという性質があります。調理後ある程度の時間が経過してしまうと、本来の味わいや口当たりが大きく変化してしまうでしょう。調理後速やかにお客様に提供する飲食店では、生パスタの欠点を抑え、利点を充分に活かせると言えます。
乾燥パスタは、原料および製法が画一的であるため、麺そのものの味わいという点では生パスタに遅れを取るものと言えるでしょう。しかし、加熱後の麺の状態という点に関しては、生パスタと比べて伸びにくいという特性があります。
お弁当あるいはビュッフェ形式など、いわゆる作り置きに相当する料理提供では、麺の質的変化を比較的抑えられるという点で有利と考えられます。
まとめ
以上のように、食材としての生パスタと乾燥パスタの違いについて見てまいりました。それぞれの長所を活かした使い分けを用いることで、より良いスタイルのメニュー提供に反映できると言えます。
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