信頼だけでは「飯」が食えない!? グローバル社会が求めるFSSC22000とは

口コミでも人気の味噌ラーメン。今から食べるものが安全であることに、何の疑いもなくペロリと胃の中へ。それが、わたしたち日本人の日常です。食が安全であることが日常の日本で、食の安全規格「FSSC22000」とは何を意味するのでしょうか。

食の安全に科学的根拠を求めることが当然の時代へ

FSSC22000は、「エフエスエスシー二万二千」と読みます。食品・添加物・食品を包装する資材の「安全」が目的です。提示されたマニュアルに沿った安全管理が認められると、企業は食品安全認証財団から認証をうけることができます。では、認証されるとは何を意味するのでしょうか。

認証を受けることは「安全なはずだ」ではなく、「安全である」食品であること。科学的根拠を提示することができる食品として認められていることです。食の安全は、第三者の認証を受けてなくては世界は納得しない時代になったのです。

日本の食に対するあたりまえと各国の食に対するあたりまえに違いがあります。そのなかで食のグローバル化が進み、食のサプライチェーンは世界中に広がっています。

そんな現代だからこそ世界中が同じ物差しで食品の安全管理ができることが、輸出入の際の要件となっているのです。

世界がそのような動きならば、もちろん日本も足並みをそろえなくてはなりません。では、世界ではいくつの企業がFSSC22000の認証をうけているのでしょうか。

FSSC22000認証件数

2019年9月の時点における、国内でFSSC22000の認証を受けた企業の件数は、2085件です。世界では、1位が中国の2370件、2位が日本、3位はアメリカの1305件でした。アフリカをのぞく世界の国々に認証を得るための動きが広がっています。

見える安全という世界の食のニーズに応えるためには、従業員の服装や行動ルール、現場の清掃手順などを徹底的に管理しなくてはなりません。なぜ2018年に義務化したHACCPだけではなく、FSSC22000を取得することも推奨されるのでしょうか。

FSSC22000が推奨される理由

HACCPは、NASAが開発した食品安全規格です。宇宙で食中毒をおこしてはならない。そのためには100個の食品があったら100個安全であることが求められました。HACCPはFSSC22000をつくる基礎となりました。

次に食品の安全が満たしていることを保証するため、生産者が行う総合的活動として生まれたのがISO22000です。

さらに、具体的な衛生管理の手法などに関する内容が追加され、より基準が明確化したのがFSSC22000になるのです。FSSC22000では、衛生的な環境をつくることが、盛り込まれました。

なぜFSSC22000が推奨されるかというと、義務化されたHACCPを改良し、食の安全をさらに極めているからです。

日本の食の安全は、これまでの食品業界に従事する人々と消費者の信頼でできていました。しかし「安全なはずだ」では、世界はもう納得しません。グローバル社会だからこそ、FSSC22000が推奨されているのです。

まとめ

・食の安全のニーズは、科学的根拠へと変わっている。
・FSSC22000とは、食の安全が認証されたものである。
・グローバル社会だからこそ、FSSC22000が求められている。

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