HACCPにおけるアレルギー食品の分析・管理とは?

アレルギー食品はアナフィラキシーを引き起こし、生命を脅かす存在となり得ます。HACCPにおいてもこのような危機を回避するため、アレルギー食品の分析・管理が重要とされています。HACCPにおけるアレルギーの分析・管理を中心に解説します。

HACCPにおけるアレルギー

HACCPは食品衛生を保つための国際的な衛生管理法であり、危害要因の分析・重要管理点の制定が主な目的となります。原材料から梱包資材までの過程を記録・管理する事で、トラブルへの柔軟な対応・防止に努める事ができます。アレルギー食品もその過程でしっかりと記録・管理しなければなりません。

HACCPにおけるアレルギー食品はアレルゲン(7品目)の表示が義務となっています。また仕入れ・製造・販売全ての過程では、アレルゲンが他の食品に混入しないように措置をあらかじめ講じる必要があります。具体的な記録・管理の方法は下記で解説します。

アレルギー食品の具体的な記録・管理

HACCPの初期段階である危害要因分析では、製品開発に伴いアレルギー食品の把握と原材料のアレルギー物質の有無を確認する必要があります。製品製造へ段階が移ると、アレルギー食品が混入しないように措置を講じる必要があります。特に製造ラインでの記録・管理が大事となります。

同一製造ラインでアレルギー物質を扱う時は、他の品目に混入しないように製造の順番を考慮する必要があります。またアレルギー物質が飛散・落下等をしないよう工夫しなければなりません。アレルギー物質が触れるものは全て、製造・加工前に洗浄・清掃を行う必要があります。

アレルギー物質を扱う従業員への注意喚起も必ず必要です。手直し品などは、アレルギー物質の有無を把握して使用しなければなりません。また必要に応じてアレルギー物質の検査を行い有無を確認したり、原材料供給者より管理状況の情報を取得して有無を確認したりする事も必要となります。

アレルゲン表示

アレルゲンとなる食品の表示が義務となっておりますが、合計28品目のアレルゲンの中で7品目は表示義務があります。これら7品目を特定原材料といい、発症数や重篤度が高いものとして注意しなければなりません。それぞれ箇所書で紹介します。

〇そば
〇小麦
〇かに
〇えび
〇卵
〇乳
〇落花生

推奨21品目

上記の7品目とは違い、21品目は表示義務はないものの国が表示を推奨している品目となります。特定原材料に準ずるものとして扱われ、特定原材料である7品目よりは症例数や重篤度は低いとされています。以下が推奨21品目となります。

〇ゼラチン 〇りんご  〇山芋 〇桃 〇松茸
〇豚肉 〇バナナ 〇鶏肉 〇大豆 〇さば
〇さけ 〇ごま 〇くるみ 〇牛肉 〇キウイフルーツ
〇カシューナッツ 〇オレンジ 〇いくら 〇イカ
〇アワビ 〇アーモンド

まとめ

HACCPにおいてアレルギー食品は厳格な記録・管理が必要とされています。飲食店などはHACCPのアレルギー管理について知る事で、お客さんに安心をもたらす事ができます。HACCPに則った記録・管理をする事で、アレルギー食品を安心して扱う事が可能となります。

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