HACCPの導入で求められる空調の重要性とは

日本では2020年にHACCPの導入が制度化され、衛生管理が見直されました。食材の管理と同じように、それらを扱う環境の衛生管理も求められています。この記事では、食品の製造・加工を行う工場内の温度管理において重要な「空調」について解説します。

HACCP(ハサップ)とは

Hazard Analysis Critical Control Point の頭文字を用いた略語です。要約すると「危害要因を分析するうえで重要な管理点を定めた衛生管理の手法」として、国際的に評価されています。原材料の仕入れから注意を払い、製造工程を細分化してリスク管理を行うものです。

HACCPを構築するための「7原則12手順」があります。チーム編成・製品説明書作成・製造工程一覧図作成など、手順1~5が7原則を進めるための準備として示されています。手順6~12では、危険因子分析・重要管理点の決定・モニタリング方法の設定などが「原則1~7」として示されています。

HACCPは、1960年代NASAにおいて宇宙食を開発する際の安全性確保のために考案された手法です。食品流通などがグローバル化された近年、衛生管理の分野でも世界基準を満たす事が求められます。残念ですが、2021年に義務化された日本はHACCP後進国と言えます。

空調(空気調和)の目的

HACCPでは、食品を管理する冷蔵・冷凍庫の温度管理だけでなく、室温の管理・記録も重要とされています。食品を加工する作業場のウイルスや細菌の増殖防止と、従業員の安全を守る事が主な目的となっています。作業環境改善も含めた対策が重要視されています。

一般的なオフィスや公共施設などでも、家屋に付随する空調設備があります。空調は目的ごとに呼び方が異なり、人にとっての快適空間を保つための空調を「保険空気調和」と呼び、製造品の品質や家畜類の健康状態を維持するための空調を「産業空気調和」と呼びます。

産業空気調和の重要性

特に加熱・冷却・包装の工程は重要管理ポイントになります。工程ごとの温度や湿度を維持するために高い気密性が必要になりますが、それが原因で結露やカビが発生することも考えられます。そのため、除湿・換気・冷暖房などの様々な設備を駆使して空気を調和します。

換気で外気を取り入れる際、花粉やホコリの侵入を防げる高機能換気設備もあります。製造ライン上に設置された空調機に、温度差による結露水が発生する場合があります。その結露水が製品に混入するリスクを考え、空調設備機器の設置場所にも慎重な配慮が必要です。

まとめ

HACCPに基づいた食品の安心・安全を守る上でも重要な「空調」について解説しました。環境衛生管理は食品の安全性だけでなく、従業員の健康も守る大切な項目となっています。品質の良い商品でお客様からの信頼を得るためにも、食品加工場の室温管理が大切です。

菅野製麺所の皮類製造現場は、全国製麺協同組合連合会のHACCP高度化計画の認定を受けていますので、安心して召し上がっていただけます。餃子やシュウマイ、肉まん、あんまんなどの点心を家庭の食卓で楽しめます。こだわりぬいた食材と製法で作られたひと味違う点心をぜひご賞味ください。
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