中華麺の原料”かんすい”とは?

中華麺なら小麦にかんすい、うどんには塩、チマキなどの餅菓子には唐灰汁など、小麦に混ぜる事で様々な食品が生まれますが、中華麺の原料であるかんすいとは何でしょうか?今回は中華麺には欠かせないかんすいについて見てまいりましょう。

麦の歴史

ラーメンや焼きそば、冷やし中華などでお馴染みの、中華麺をつくるのに必要なものが小麦粉とかんすいです。このかんすいの起源については色々な説があり、偶然小麦粉と出会った説や研究の結果こうなったという説など今となってはハッキリした事が分からないのが実情です。

中国の何千年という歴史から見てみれば、かんすいと小麦粉の出会いは、まだ浅く、千年ほど前だといわれています。それはまだ中国が宋と呼ばれていた時代の話ですが、それまで小麦粉は塩と一緒に捏ねて煮たりして食されていたようです。

麦の歴史はさらに古く、メソポタミア文明(紀元前5000年)の頃には既に麦文化はあったようです。その時代は現在の小麦ではなく大麦が主に食べられていました。その理由は、収穫の速さやたんぱく質があまり含まれていないという理由で煮てもさらさらしていて食べやすかったためです。

石臼の発達が小麦の製粉作業を容易なものとし、大麦から麦文化の主役は小麦にシフトして行きました。このように進化した小麦文化はシルクロードを経由して中国に伝わったといわれています。いよいよ中国での麺の歴史の始まりです。

中華麺の歴史

中国に伝わった小麦粉は、「2年3毛作」でつくられ、小麦の生産量は飛躍的に増大し、現代の言葉でいうコストダウンに成功し、なおかつそれに追従するように発酵調味料が出回るようになった事で、麺というものが食文化として発達したのです。

小麦粉とかんすいとの出会いですが、中国北部でつくられていた麺はもちもちとした食感で中国全土に広まっていくのですが、これは北部地域の水が非常にアルカリ性の高い水であった事が独特の食感をもたらしていたと分かってきたのです。

このアルカリ性の高い水こそ、かんすいの元と言っても過言ではないのです。その証拠に中国北部の水でつくられた麺は中華麺の大きな特徴であるもちもちとした食感と特有の香り・粘り気があり、まさに中華麺でしたが、南部の水でつくったものにはこの特徴がなかったそうです。

この中国北部の水に含まれる成分を「かん」と呼びました、これがかんすいの誕生なのです。「かん」とは今でいうアルカリもしくはソーダ水です。「かん」はかん湖(塩水湖)で析出され各地で 使用されるまでになりました。

中国の歴史のように長い話ですが、これが中華麺の誕生のいきさつです。かんすいは上記で説明した通り、アルカリ性の強い水が元になっていますが、今ではこの水の主成分であるカリウム、ナトリウム炭酸塩とリン酸塩を元に、これらの混合物を水で溶いたものをかんすいと呼んでいます。

現在国内で使われているかんすいとは、このようにしてつくられた人工物です。殆どの製麺所などでもかんすいは多く使われるものであり、自社で生産するよりも仕入れて使用しているところが多いようです。

まとめ

かんすいを使わずに中華麺を製麺している製麺所はほぼ存在しないようです。それほど中華麺にとってかんすいは無くてはならないものと言えます。人間の食に対する情熱は今も昔も変わる事なく、美味しいものを探し続けていますが、変わらないものこそ本物なのかもしれません。

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公式サイト
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