ラーメンの魅力を決める要素のひとつが「麺」。その食感や香り、スープとの相性など、麺の個性がラーメン全体の印象を大きく左右します。近年、注目されているのが“もち小麦”という新たな製麺素材。もともとはパンやお菓子に使われていた品種ですが、そのもちもちとした粘りのある食感を活かし、ラーメンの麺にも活用されはじめています。本記事では、「もち小麦とは何か?」「ラーメンに使うメリット・課題は何か?」といった視点から、次世代の麺づくりについて考えていきます。
目次
- もち小麦とは?従来の小麦との違い
- もち小麦をラーメンに使うと何が変わるのか
- 実際に使われている事例と評判
- もち小麦ラーメンの課題と今後の展望
- まとめ
1. もち小麦とは?従来の小麦との違い
もち小麦は、日本で開発された小麦の一種で、でんぷん構成に特徴があります。一般的な小麦には“アミロース”と“アミロペクチン”という2種類のでんぷんが含まれていますが、もち小麦はアミロペクチンを多く含むため、糯(もち)性が強く、粘りのある食感になります。
これは「もち米」と「うるち米」の違いに近く、通常の小麦粉と比べて、弾力性・もちもち感・歯ごたえが格段に異なるのが特徴です。もともとはパンやうどん、焼き菓子などの分野で使われてきましたが、近年はラーメンへの応用も進んでいます。
2. もち小麦をラーメンに使うと何が変わるのか
ラーメンの麺にもち小麦を使うと、まずは食感がまったく変わります。一般的な中華麺は「パツッ」「ツルッ」とした歯切れの良さが特徴ですが、もち小麦麺は「モチモチ」「しっとり」「柔らかい弾力」を持っています。
このため、口に入れた瞬間の粘り気や、噛んだときのしなやかさが大きな魅力となり、特にスープが優しい味わいの鶏白湯系や豆乳スープ系との相性がよいとされています。
また、スープの絡み方も変わります。もち小麦の表面はやや粘性が高いため、スープの吸着性がよく、比較的あっさりしたスープでも満足感のある一杯になります。ラーメンのジャンルとしては「女性向け」「健康志向」「創作系ラーメン」に使われることが多く、他の麺との差別化に有効です。
3. 実際に使われている事例と評判
近年では、関東・関西を中心に一部のラーメン店や製麺所が「もち小麦麺」をメニューに取り入れています。特に以下のようなスタイルで好評を得ています。
- 鶏白湯×もち小麦麺:クリーミーなスープともちもち麺が相性抜群
- つけ麺スタイル:弾力を活かして冷やしで提供すると歯ごたえが際立つ
- ベジタブルスープ系:動物性を使わないスープとの親和性が高い
一方で、「いつもの中華麺と違いすぎる」「重すぎて好みが分かれる」といった声もあり、好みがはっきり分かれる素材でもあります。しかし、食後の満足感や冷めてもモチモチが続く特性など、評価される点は確実に広がっています。
4. もち小麦ラーメンの課題と今後の展望
もち小麦ラーメンにはいくつかの課題もあります。
まずはコストの問題。もち小麦は生産量が限られており、通常の中力粉よりも価格が高め。そのため、飲食店での採用には価格転嫁の工夫が必要です。
また、麺の打ち方・ゆで加減が難しいという点もあります。水分量が多いためべたつきやすく、加水率や加熱時間の調整が製麺技術に強く影響します。その分、職人の腕が問われる素材とも言えます。
しかし、健康志向やグルテンフリー(部分的に)志向、五感に訴える「食感の個性化」が求められる現代において、もち小麦ラーメンは今後の可能性を秘めた“麺素材の選択肢”であることは間違いありません。
5. まとめ
もち小麦は、従来のラーメンとは一線を画す「もちもち感」「スープの絡み」「新しい食体験」を提供できるユニークな素材です。製麺の難しさや好みの分かれやすさといった課題はあるものの、それを上回る魅力と新しさがあり、次世代ラーメンの麺として注目を集めています。
これからのラーメンは「細さ」「硬さ」「加水率」だけでなく、「小麦の品種」そのものを楽しむ時代へと向かっているのかもしれません。あなたもぜひ、もち小麦ラーメンの一杯で、新しい食感の世界を体験してみてください。
菅野製麺所ではスープに合わせてオリジナルの麺を提供することも可能です。少量注文にも対応しておりますので、まずはサンプルからお試しください。開業を考えている、または新しいメニューを考えているというオーナー様と共に、麺を追求していきます。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。
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