HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、食品の安全を確保するための国際的な衛生管理手法です。導入には一定の準備と工程が必要ですが、段階的に取り組むことで、どんな飲食店や食品事業者でも実施可能です。本記事では、HACCPを導入する際にやるべきことを7つのステップで整理し、実務でのポイントも交えて解説します。
目次
- HACCPの目的と必要性を理解する
- 現場の作業工程を整理し、フローダイアグラムを作成する
- ハザード分析を行う
- 重要管理点(CCP)を設定する
- 管理基準(CL)を定める
- モニタリング方法と是正措置を設計する
- 記録の保存と定期的な見直しを実施する
1. HACCPの目的と必要性を理解する
まず、HACCPの基本概念と導入の目的をしっかり理解することが大切です。HACCPは「食品の安全」を科学的に管理するための仕組みであり、従来の「最終検査頼り」から「工程管理重視」への転換を意味します。食中毒や異物混入を未然に防ぐ体制をつくることが最終的な目的です。
2. 現場の作業工程を整理し、フローダイアグラムを作成する
自社の調理・製造・提供プロセスを詳細に書き出し、フローダイアグラム(工程図)として可視化します。たとえば「食材の受け入れ → 冷蔵保管 → 下処理 → 加熱調理 → 盛り付け → 提供」など、実際の業務に即した流れを記録します。これにより、後のハザード分析が正確に行える土台が整います。
3. ハザード分析を行う
各工程において、どのような危害(ハザード)が発生する可能性があるかを洗い出します。ハザードは「生物的(菌・ウイルス)」「化学的(洗剤、アレルゲン)」「物理的(金属片など)」の3分類で検討します。次に、それぞれのハザードについて、発生可能性と健康への影響度からリスク評価を行います。
4. 重要管理点(CCP)を設定する
ハザード分析の結果、重大な危害につながる可能性のある工程には「CCP(重要管理点)」を設定します。たとえば「加熱調理で一定の温度に達しなければならない」「冷却にかける時間が長すぎると菌が増殖する」など、食の安全に直接関わる重要な管理対象です。
5. 管理基準(CL)を定める
CCPごとに「クリティカル・リミット(CL)」と呼ばれる管理基準を設定します。これは「最低でも75℃で1分加熱」「冷蔵庫内は常に10℃以下に保つ」といった明確な数値基準で、逸脱が発生しないようモニタリングするための目安です。
6. モニタリング方法と是正措置を設計する
管理基準が守られているかどうかを確認する「モニタリング」の方法を決めます。誰が・いつ・どのようにチェックするかを明文化し、異常があった場合の「是正措置(例:再加熱や廃棄)」も同時にルール化しておきます。これにより、トラブル発生時にも迷いなく対応できます。
7. 記録の保存と定期的な見直しを実施する
すべての工程において、実施内容を記録に残します。温度の測定記録、モニタリング結果、是正措置の記録などが該当します。また、HACCPは一度導入すれば終わりではなく、定期的に見直し、改善を重ねる仕組みです。新しい食材や機器の導入などがあった場合には、再度ハザード分析から見直す必要があります。
8. まとめ
HACCPの導入は複雑に見えるかもしれませんが、ステップを一つずつ丁寧に踏んでいけば、実務に活かせる実用的な管理手法になります。とくに飲食店や小規模食品事業者では「HACCPに基づく衛生管理の制度化(簡易版)」も認められているため、まずは自社に合った形で取り組み始めることが大切です。HACCPは食品安全の基盤を築くだけでなく、信頼される店舗・ブランドの構築にもつながります。
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