HACCPにおけるハザード分析とは?食品安全を守るための第一歩

HACCPにおけるハザード分析とは?食品安全を守るための第一歩

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、食品の安全を守るための国際的な衛生管理手法です。その核となるのが「ハザード分析」です。食品を製造・提供するすべての現場において、この分析が不十分であれば、いくら衛生的な対策を講じても本質的なリスクを見落とすことになります。本記事では、ハザード分析とは何か、どのように実施するのかを段階的にわかりやすく解説します。

目次

  1. ハザード分析とは何かを理解する
  2. ハザードの種類を明確にする
  3. 各工程に潜むハザードを洗い出す
  4. ハザードのリスクを評価する
  5. 管理すべき重大なハザードを特定する
  6. ハザード分析の記録と継続的な見直し
  7. まとめ

1. ハザード分析とは何かを理解する

ハザード分析とは、食品の製造・調理・提供の各段階において、健康被害をもたらす可能性のある危害要因(ハザード)を系統的に見つけ出す作業です。具体的には、原材料の受け入れから製品完成に至るまでのすべての工程で、どのようなリスクが存在するのかを科学的に評価し、必要に応じた対策を講じるための出発点です。

2. ハザードの種類を明確にする

ハザードは大きく分けて3つに分類されます。まず「生物的ハザード」は、食中毒菌やウイルスなど微生物によるものです。次に「化学的ハザード」は、農薬、洗剤、アレルゲンなどの化学物質が該当します。そして「物理的ハザード」は、金属片やガラス片などの異物混入です。これらを区別しながら、それぞれのハザードがどのような工程で発生しうるかを見極めます。

3. 各工程に潜むハザードを洗い出す

原材料の仕入れ、下処理、加熱、冷却、包装、保存、提供など、一連の製造・提供プロセスをフローダイアグラムなどで可視化し、それぞれの段階で発生し得るハザードをリストアップします。たとえば、加熱不足による大腸菌の残存、冷却不良によるリステリア菌の増殖など、具体的な場面を想定して検討します。

4. ハザードのリスクを評価する

次に、抽出した各ハザードに対し、「発生する可能性」と「発生した場合の健康への影響度」の2軸でリスク評価を行います。リスクの高いハザードは、必ず管理対象とする必要があります。この評価は主観に頼るのではなく、科学的根拠や過去の事例、厚生労働省やFAO/WHOなどのガイドラインを参考に行うのが望ましいです。

5. 管理すべき重大なハザードを特定する

リスク評価の結果をもとに、「重大なハザード(Significant Hazard)」を選定します。これは、そのまま放置すれば健康被害につながる恐れがあり、必ず管理措置が必要なものです。この後の工程で「重要管理点(CCP)」として設定する候補にもなるため、的確な判断が求められます。

6. ハザード分析の記録と継続的な見直し

ハザード分析の結果は、必ず記録に残し、関係者間で共有します。また、原材料の変更や新メニューの導入、製造ラインの改修など、環境が変わった際には、分析を見直す必要があります。HACCPは一度導入すれば終わりではなく、常に改善と更新が求められる管理手法です。

7. まとめ

ハザード分析は、HACCPの導入において最も重要な第一ステップです。ここでリスクを的確に洗い出すことで、その後の管理策の精度が大きく左右されます。食品安全を守るためには、単なる感覚や経験ではなく、科学的根拠に基づいた体系的な分析が求められます。

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