FSSC 22000におけるアレルゲン管理とは何か

FSSC 22000におけるアレルゲン管理とは何か

FSSC 22000は、ISO 22000をベースにした国際的な食品安全マネジメントシステムであり、より包括的なリスク管理が求められます。その中でも「アレルゲン管理」は、食品アレルギーによる健康被害の防止に直結する重要な要素として位置付けられており、CCP(重要管理点)とは別に、必ずPRP(前提条件プログラム)の一環として管理対象に含める必要があります。

目次

  1. アレルゲン管理がFSSC 22000で重視される理由
  2. 管理対象となるアレルゲンの例
  3. 原材料・製品情報の明確化と表示の徹底
  4. 製造工程における交差汚染防止策
  5. 従業員教育と作業手順書の整備
  6. 管理記録と見直し体制
  7. アレルゲン管理の実践による信頼性向上

1. アレルゲン管理がFSSC 22000で重視される理由

食品アレルギーは、少量のアレルゲン摂取でも重大な健康被害を引き起こす可能性があり、製造・加工・提供の各工程で意図せぬ混入(交差汚染)を防ぐことが最優先課題です。FSSC 22000では「アレルゲン管理」がPRPの必須項目として求められ、意図しないアレルゲン混入のリスクを徹底的に排除する管理体制の構築が必要です。

2. 管理対象となるアレルゲンの例

管理対象となるアレルゲンは、各国の法令に準拠する必要があります。たとえば日本国内では以下のような特定原材料が管理対象です:

  • 表示義務:えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
  • 表示推奨:アーモンド、大豆、やまいも、バナナ、りんご、オレンジ、牛肉、鶏肉、豚肉、ゼラチンなど

国際市場向けの製品では、EUや米国の基準(例:ナッツ類やセサミ)にも配慮が必要です。

3. 原材料・製品情報の明確化と表示の徹底

原材料に含まれるアレルゲンの有無を正確に把握し、製品への正しい表示を行うことが基本です。仕入れ時に供給者からの仕様書確認を義務付け、レシピ変更時や新商品開発時にもアレルゲン情報の更新と社内通知が求められます。ラベル誤表示によるリコールリスクを防ぐため、表示内容のWチェック体制も重要です。

4. 製造工程における交差汚染防止策

アレルゲンを含む製品と含まない製品を同一ラインで製造する場合は、清掃・洗浄の徹底、ラインの切り替え手順、ゾーニングなどで交差汚染リスクを最小限に抑えます。また、製造順序の工夫(アレルゲン非含有製品→含有製品)も有効な対策です。

5. 従業員教育と作業手順書の整備

アレルゲン管理は現場の全員が関与する必要があります。新人教育や定期的な社内研修を通じて、アレルゲンの基礎知識、交差汚染のリスク、正しい作業手順を周知させます。手袋・器具の使い分け、ライン清掃の基準なども明文化し、マニュアル化しておくことが求められます。

6. 管理記録と見直し体制

アレルゲン管理も他のPRPと同様に、記録管理が必須です。製造日報、清掃記録、教育記録、製品仕様書などをファイリング・電子化し、内部監査やFSSC審査時の証拠として提出できる状態にしておきます。また、変更点があった場合は速やかに関係部門へ通知・反映を行う体制を構築します。

7. アレルゲン管理の実践による信頼性向上

アレルゲンの厳格な管理を行うことで、食品安全リスクを軽減するだけでなく、消費者との信頼関係の構築にも直結します。アレルギー対応を求める市場ニーズは年々高まっており、FSSC 22000認証の取得と合わせて、企業の衛生管理力・誠実性を対外的にアピールできる要素ともなります。

8. まとめ

FSSC 22000においてアレルゲン管理は欠かせない重要項目です。原材料選定から製造、表示、従業員教育まで、一連の工程にわたって交差汚染防止の意識と仕組みを徹底することで、食品事故のリスクを回避し、顧客からの信頼を高めることができます。とくに中小規模の食品事業者でも、FSSC導入を機に「アレルゲン管理」を強化することは、今後の成長と差別化の大きな一歩となるでしょう。

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