これまで地道に修行を積んで、ご自分のお店を構えてみたいという願望を現実に変えるまでには、資格や許可を得るための手続きをしなければなりません。なぜなら店舗を構えるということはお客様へ安心な「食品」と「場所」を提供する義務が発生するからです。ではどのような資格と許可の手続きがあるのかこちらの記事ではご紹介したいと思います。
■資格
◎食品衛生責任者
食品を取り扱う施設では、食品衛生責任者をおく必要があります。講習会を受講する必要があり、受講料は1万円程度で時間は6時間です。この資格を受講するのに所在地、勤務地、従事経験の有無、学歴は問いませんが現役の高校生は受講できません。経営者本人でなくスタッフが取得しても問題ありませんが、お店に常駐する方が取得します。
講習場所と日時は各地域の食品衛生協会のホームページから探すことができます。また、調理の専門学校を卒業されて調理師免許や栄養士の資格をお持ちの方は講習を受ける必要なく申請するだけで取得することができます。
◎防火管理者【店舗の収容人数が30人以上の場合】
防火管理者には乙種と甲種の2種類がありどちらかの講習会を受講する必要があります。甲種防火管理者は店舗の延床面積が300平米以上の店舗で講習期間は2日間、300平米未満の乙種防火管理者は1日間の講習となり、受講料は5,000円~6,000円程度です。講習場所と日時は一般財団法人日本防火・防災協会のホームページから確認することができます。
食品衛生責任者と防火管理者は飲食店を開業させる際には必ず必要になる資格です。また、この資格は兼務することが可能です。
■許可
◎飲食店営業許可
管轄する保健所の審査を受けて得られる許認可権で食品衛生法に定められています。保健所の審査は各都道府県の食品衛生施行条例に基づいて行われているため、自治体によって必要な書類や手数料が違ってきます。
手順は内装工事の着工前に設計図を持参して保健所に行き、間仕切りや提出書類の確認を行います。店舗が完成したら保健所からスタッフが派遣され施設が申請通りか、施設基準に適合しているかお店の検査が行われます。
◎個人事業の開廃業等届出書
個人で開業をした場合に開業してから1ヵ月以内に納税地を管轄する税務署へ提出が必要になります。
◎防火管理者選任届
店舗の収容人数が30人を超える場合、店舗を出店する地域の消防署に開業前までに届け出をする必要があります。また火を使用する設備の設置届けも提出する必要があります。
◎深夜における酒類提供飲食営業開始届出書
午前0時から日の出までに酒類を提供する場合には、出店する地域の警察署に開業10日前までに届け出を出します。
◎労災・雇用の加入手続き
従業員を雇用するのでしたら、雇用した10日以内に雇用保険(公共職業安定所)と労災保険(労働基準監督署)に加入する届け出をする必要があります。
■まとめ
飲食店を開業するにあたり諸々の手続き内容をまとめてみましたが、大切なのは綿密な準備です。手続きを進めるうえで時間やお金をかけたのに営業許可が下りないとなっては計画してきたことが台無しになってしまいます。保健所の担当の方や専門家へ相談をしながら効率よく進めていきましょう。
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