冷凍食品への取り組みは、食の安全性と安定供給への取り組みともいえる。今回の記事では、『冷凍食品、安全性への取り組みの歴史』と題して、冷凍食品が日本で辿ってきて道を振り返ってみるとともに「冷凍食品の安全管理」を解説していく。
■日本での冷凍食品の歩み
今から99年前の1920年、葛原商会(現ニチレイ)が、日産10トンの凍結能力の冷蔵庫を建設した。これが、日本国産初の冷凍事業だ。
11年後の1931年、初の市販用冷凍食品『イチゴシャーベー』発売。
・1952年、東京の複数の百貨店で冷凍食品売り場が設置される。
・1957年、南極観測船『宗谷』に70種類の冷凍食品を積んで出発。越冬中の食料として重宝される。
この頃、業務用電子レンジ、フリーザー付冷蔵庫があいついで発売される。
・1964年、東京オリンピック選手村で多数の冷凍食品を提供し、喜ばれる。オリンピックを契機に、ホテルやレストランで冷凍食品が一気に普及する。
・1965年、電気冷蔵庫の普及率50%超える。
・1969年、日本冷凍食品協会が設立される。
・1979年、冷凍食品生産量が50万トン突破。
・1987年、電子レンジの普及率が50%を超える。
・1990年、冷凍食品生産量が100万トン突破。
■冷凍食品の安全管理方法
◎包材の安全確認
材質試験・溶出試験・指定インキであることの確認など必須である。
◎工場の安全管理体制の確立
社内品質保証基準を制定して、海外の製造工場へも適用する。国際規格(haccpなど)に準拠した管理体制を敷く。
◎使用する水の安全管理
日本の食品衛生法で定める『食品製造用水』で定める項目の基準に適合していなければならない。
◎防虫対策
・昆虫類が誘引される要因(光、臭気、熱源)の軽減対策
・侵入口(隙間・ひび割れ箇所)を塞ぐ。
■従来の食品安全の管理手法では排除できない、意図的な混入『フードテロ』と、その対策『フードディフェンス』
◎商品・業務に対する人為的攻撃が考えられる工程・対象。
1.原材料・包材
2.輸送・搬入
3.養殖場
4.使用水
5.工場
6.配送
7.保管
8.店舗
9.従業員(不満・悪意・いたずら)
10.部外者(侵入・妨害行為)
具体的には・・
・施錠
・アクセス制限(IDカード・生体認証)
・製造ラインにカバーをかける。
・管理者による目視確認。
・人感センサーによる
・カメラ設置による抑止効果
・ポケットのない作業着の採用
・工場への持ち込み物チェック
・従業員同士、管理者との円満な人間関係構築
◎その他留意点
・原材料の規格を統一し、厳しく選定する。
・アレルギー物質の管理
・薬剤・化学物質等と同一車両で運搬しないなど。
■まとめ
近年起こったフードテロは社会に大きな衝撃と脅威を与えた。従来通り混入事故を防ぐだけでなく、故意に異物を混入することを防ぐことも重要になっている。食品の安全に対する消費者の向ける目は、以前にも増して厳しい。食品業界全体が、食の安全確保の為、これからも努力と改善を続けていくことが必要だ。
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