食品の風味や食感、栄養や色、衛生状態を、つくりたての状態で長期保存できる様に生まれたのが冷凍食品です。
凍結する際に組織を壊さないよう、低い温度で急速凍結する事により、長期間新鮮な状態で保存する事を可能としています。
食品を急速凍結する事で損なわれる栄養素はありませんが、保存方法や適した温度などを間違ってしまうと、せっかくの冷凍食品の品質が変わってしまう可能性があります。
保存するために適した温度は?
冷凍食品の包装を確認すると、保存方法に-18℃以下で保存する様に記載がされています。
食品衛生法では冷凍食品の品温は-15℃以下にするとの定めがあります。ただしこの基準は細菌を繁殖させない食品安全に関する基準なので、おいしさを長期間担保する基準ではありません。
行政や業界団体、食品の国際規格(コーデックス規格)では、食品の酸化や品質の変化を抑制しながら長期状態を保持できる様に-18℃以下にする事が規定されています。
以上の事から最初の品質を保つために、おいしさを保つためには-18℃以下で保存する事を守る様にしましょう。
チルド食品と何が違う?
冷蔵庫にも、冷凍庫だけでなくチルドルームが設けられているものが多くありますが、冷凍食品とチルド食品は同じではありません。
冷凍食品は生産から流通・消費まで−18℃以下を保ち取り扱われますが、チルド食品は−5~+5℃の温度帯で流通する食品です。チルド食品の場合、温度帯に法的な規制がない事から食品ごとに0~+10℃の温度帯が設定されて流通している事が一般的です。
冷凍食品はどのくらいの期間保存できる?
しかし家庭用の冷凍庫で冷凍食品を保存する場合、JIS規格で決められた性能のうちスリースターやフォースターの冷凍庫であれば-18℃以下で保存が可能です。
ただし保存期間は約3か月で賞味期限は1年と表示されている事が一般的です。賞味期限は味や風味など、品質が維持される事を保証する期限を表します。
冷凍食品は品質変化が少ない優れた食品ではありますが、冷蔵庫や冷凍庫は常に閉めたままではありません。時期によっては回数も多くなり冷凍庫内部の温度も変化しますので、保存期間ギリギリではなく、なるべく早めに食べたほうが良いと言えるでしょう。
保存温度を守る事が大切
食品はそのままの状態で保存すると、時間の経過により微生物による腐敗、酸化や乾燥などを起こして品質が劣化してしまいます。
食品を腐敗させず新鮮さを保ったまま長期間保存するために、微生物が繁殖できない低温で保存するために冷凍食品が生まれました。
しかし正しい保存温度を守らなければ、もともとの品質を保ったまま賞味期限まで保存はできませんので注意しましょう。