徹底したHACCPのゾーニングで食品安全を確保

HACCPとはアメリカのNASAで開発された宇宙食の安全性を確保するために取り入れられた衛生管理の手法です。食品製造におけるすべての工程で、危害要因の除去・低減を行うための工程を管理し、記録することで継続的な食品の安全を確保します。HACCPにはゾーニングと動線計画も重要な要素であり、工場内のエリア配置や人の動きにも気を配る必要があります。

HACCPのゾーニング

HACCPを導入するうえで製造施設は、外部との接触がある「汚染区域」、原材料の保管や前処理段階の汚染拡散を管理する「準汚染区域」、製造エリアとして清潔度を確保しなければいけない「準清潔区域」、充填や梱包といった無菌状態を求められる「清潔区域」に区分する必要があります。

各区域に汚染を拡大させないようにする対策は「仕切る」ことであり、特に「壁」をつくることが最良の方法になります。

汚染区域の対策

入荷室・出荷室は外部と接するエリアであり、微生物・昆虫・埃といった汚染要因を防ぐために隔壁による遮断対策が必要になります。

エアーカーテン

侵入しようとする虫や埃を空気のカーテンで遮断します。人の出入りを妨げることもなく、臭気に対しても効果があります。対向位置に吸気口を設置するタイプもあります。

ドックシェルター

トラックの後部が搬入口に接触する際、隙間無く密着させるため、耐衝撃性・耐摩耗性に優れた生地をカーテン状に配置し、接触の衝撃を吸収しつつ気密性を向上させる装置です。電力を必要とせず、省エネ効果も得られます。

オーバースライダー

パネル上のシャッターがスライドしながら隔壁の開閉する装置です。シャッターボックスが不要で、開閉音が静かで気密性と耐風性能に優れています。電力消費が大きいデメリットがあります。

準汚染区域の対策

汚染区域から持ち込まれた食品の原材料を守るための衛生管理が必要な区域です。

捕虫器

準汚染区域は保管された食品から虫が繁殖する可能性がありますので、LEDライトといった発光体で虫を引き寄せて、吸引し捕獲する捕虫器を侵入経路に配置することで回避できます。

準清潔区域

食品加工に使用される区域で、汚染物質を拡散しないように清潔状態を保つ必要があります。

オートスライドドア

センサーにより開閉し、一定時間で閉まる自動ドアで直接手に触れずエリア内に搬入を行うことができます。

清潔区域

充填室・梱包室といった微生物制御の必要がある場所であり、細心の注意を払って衛生管理を行う必要があります。

室内陽圧化

外調機による室内陽圧化でパスダクト・微差圧ダンパーを使用し、清潔区域→準清潔区域→準汚染区域→汚染区域の順に空気の流れを作り、汚染空気をシャットダウンします。

パスボックス

部屋同士を繋ぐドアは塵や菌を持ち込む可能性がありますが、物のみを移動させるパスボックスは汚染物質を大幅に抑えられ、2重ドア構造で空気の流れを塞き止めることができます。

まとめ

HACCPを導入するには、モノの動きの他に人の出入りや空気の出入りから生じる交差汚染を考慮しながらゾーニングを行う必要があります。完璧な設備を導入するだけでなく、適切な配置と従業員ひとりひとりの食品衛生に対する意識の向上が、高いレベルの品質管理を実現させるカギとなります。

菅野製麺所の皮類製造現場は、全国製麺協同組合連合会のHACCP高度化計画の認定を受けていますので、安心して召し上がっていただけます。餃子やシュウマイ、肉まん、あんまんなどの点心を家庭の食卓で楽しめます。こだわりぬいた食材と製法で作られたひと味違う点心をぜひご賞味ください。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。

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