HACCP制度化によって設定された基準とは

食品の衛生管理手法として世界的に活用されているHACCP。日本でも2021年6月から正式に制度化され、あらゆる食品関連企業での取り組みが義務付けられるに至りました。今回は、制度化によって食品業者に取り組みが求められる事になった基準について、見ていきましょう。

HACCPとは

1960年代から70年代にかけて、宇宙開発推進を目指していたアメリカにおいて実施された有人月面着陸プロジェクト・「アポロ計画」。それに付随して宇宙食の開発が進められ、その中で食品の安全性を確保する方法が考え出されました。

その宇宙食開発の考えをひな型として、食品を安全かつ衛生的に管理する方法として確立されたのがHACCPです。HACCPを実践する事により、食品を取り扱う業務において、食中毒など危険性の原因となる細菌や異物の混入を構造的に防止する作業体制の確立が可能となりました。

食品に含まれる健康被害の要素(たとえば、細菌や異物など)を除去もしくは減少させる工程(重要管理点)を、作業工程の中に取り入れる事。HACCPの意義を概略的に表すと、上記のようになります。

その重要管理点を取り入れた、衛生管理体制がしっかりと機能するよう、取り組むべき内容となるのが”7原則12手順”です。そこで示される12手順を、自社が着手する業務に併せて具体化し、実践する事がHACCPの実施の意味する事となります。

7原則は12手順のうち6〜12手順を意味し、実際の業務で実行すべきポイントを指します。7原則以外となる1〜5手順は、HACCP実施の体制作りに関わる部分です。

制度化によって定められた取り組み方

2021年6月より施行された日本でのHACCP完全義務化に先立ち、2018年6月に改正された食品衛生法に則り、HACCPが制度化される事となりました。全ての食品関連事業者に対してHACCP導入が義務付けられ、それに併せて基準a・基準bという2種の基準が設定されるに至りました。

事業の内容あるいは規模によって、この2種類のうちいずれかに従って衛生管理体制を敷く事が不可欠となったわけです。

基準aは、現在(2022年7月時点)では「HACCPに基づく衛生管理」という具体的名称に改められていますが、内容に変更はありません。これは、HACCPの正規の形式である7原則12手順に即した衛生管理の取り組みを意味します。

これを取り入れるべき事業者として、一般的規模の食品関連事業者および屠畜場・食鳥処理場などが対象とされています。

基準bは、現在「HACCPに沿った衛生管理」と名称が変更されています。内容に関してはこちらも、名称改変前と同一です。これは、HACCPの手法を取り入れた衛生管理に相当し、正規のタイプを簡略化した内容となっています。

基準bの遵守が要求される業種としては、飲食店など、行政から小規模事業と判断された食品業者が該当します。具体的な取り組み方に関しては、それぞれの業界団体で作成された手引書で指示された内容に沿っていく事となります。

まとめ

以上のように、完全義務化が法的に規定されているHACCPについて、重要管理点を定めそれを中心に衛生管理を確立していくという基本を踏まえながら、制度化に伴って定められた2つの基準についてお伝えしました。

自身の事業に該当する基準を遵守する事で、食品に携わる業者として安全性確保の責任を果たす事になり、消費者に安全な食品を届ける事が可能になります。

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