食品衛生管理においてHACCPは消費者・国際・日本を食の安全という立場から我々を守っています。そんなHACCPの意味を様々な視点から展開していくことにより、HACCPの理解を深めていきましょう。
■~HACCAPの意味~言葉として~
HACCPとは、「Hazard Analysis Critical Control Point」の頭文字をとったものです。「危害分析・重要管理」と訳します。分解すると
・HA(Hazard Analysis)=食品を製造する過程で発生する可能性のある危害を見つけだす。
・CCP(Critical Control Point)=見つけだした危害を防ぐ。
となります。
■HACCAPの意味~より適切な食品管理方法として~
従来の品質検査方法は完成品から抜き取り検査が主流したが、この方法では抜き出したサンプルに、たまたま問題がなかったことも想定されことから、食品の安全が担保される保証がありません。
HACCPは食品を製造する全工程対象に検査すべきポイントを特定し、徹底管理していきます。つまり、食品の安全をより確実に確保する手段の一つと考えていいでしょう。
■HACCAPの意味~消費者への食品衛生管理意識向上として~
みなさんは、食品製造に携わるごく一部の人たちだけが、HACCP(=食品衛生管理)に対応する必要があると思っていませんでしょうか。実は消費者としてもできる実践的HACCPも定義されています。例えば以下のような内容が定義されています。
・飲食時料理を載せる食器は清潔なものを選択。
・清潔な器具を使って盛り付ける。
・食べ終わったものをいつまでもテーブルの上に放置しない。
・料理を食べきれなかった場合、残った食品は早めに冷蔵庫(冷凍庫)に保存。
まだたくさんありますが、このように、普段の生活で何気なく気をかけているようなことも、食品の衛生管理といった視点で考えると、とても重要な対応方法であることが理解できるのではないでしょうか。
■HACCPの意味~各国に広がる食の安全意識として~
◎欧米
・1997年 = アメリカでは水産食品や食肉といった一部の食品から順次、HACCPによる食品の衛生管理が義務付けられていました。
◎アジア諸国
・2003年=台湾から水産食品や食肉製品などから順次HACCP導入が義務付けられました。
・2009年=中国では食品安全においてHACCP導入による食品安全管理水準の向上を推奨しています。
・2012年 = 韓国でもHACCP導入の義務付けが始まっています。
◎EU諸国
・2006年=EUではHACCPの概念に基づく計画と実行が義務付けられています。
HACCPの導入を制度化することは、ただ単に国際社会と協調した食品安全の管理手法を取り入れるというだけではありません。すでにHACCPの導入が義務付けられている国へ食品を輸出する場合、その国の法と基準が適用されるため、輸出する相手国の条件を満たさなければなりません。
■HACCPの意味~日本と食の安全~
HACCPを品目や企業規模に限定して義務化している国が増えている状況において、先進国でHACCAPを義務化しないで来た国は、いつのまにか日本だけになっていました。日本は「食品輸入大国」であったため、アメリカに食品を売りたい中南米や東南アジアの国のように、HACCPを導入する必要が乏しかったのです。
このため、国際社会の情勢も影響して、日本はアメリカの導入からだいぶ遅れてHACCPが義務付けました。さらに2018年に日本ではHACCPを正式に義務化し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて国内外に日本食の安全をアピールし、ブランド力をアップするために義務化を目指しています。
■まとめ
消費者・日本・世界それぞれの視点からHACCPが存在する意味を見てきました。食品衛生管理に関する意識は、国家単位・消費者単位で考えていくことが大切であるといった認識が益々高まっているというわけです。
株式会社カンノは生中華麺や生パスタなどの、すべての食材・食品の安全や衛生面に取り組み、皆様のもとへ商品をお届けできるよう努めております。ホームページでは、数多くの商品を紹介しておりますので是非ご覧ください。