物事を成功に導く条件の1つに、事前の準備が挙げられます。準備が入念であればより良いアイディアが導き出すことができ、有利に物事を進められるでしょう。飲食店開業についても同様です。お店の繁盛に結び付けるにはどんな手順で準備していくべきでしょうか?
飲食店開業に必要なこととは?
まず、飲食店を始めるためにはどんなものを用意すべきか、考えてみたいと思います。
資金
「飲食店」と言うからにはまず、それに相当する不動産物件が必要です。その内部に、調理を行う厨房や、お客さんがくつろぐ客席を備えられる物件でなければなりません。料理を提供するのが事業に当たりますので、それを作るための食材や調理器具を取り揃えなければなりません。
それなりの品数の料理を自分一人の労働力で提供するには限界があります。それを補うために、お店で働くスタッフも必要でしょう。それら一切を用意するために必要なものはお金です。言い換えれば、開業に当たって必要なものの1つとして資金が挙げられると言えるでしょう。
法的許可
資金以外にも、必要なものが挙げられます。飲食店開業は、言い換えれば商売を始めることです。商売は社会参画の1つに位置付けられます。そのことから開始するに当たって、それに応じた法的認可を得ることが必須と言えるでしょう。
開業の方法としては主に、会社設立と個人事業の2通りが挙げられます。会社設立では、法人登記を中心に様々な手続きが必要となります。個人事業主の場合、従業員を雇わず自分一人で行うのであればとくに届け出などがなくとも事業に着手できます。
しかし経営として考えた場合、課税額など条件的に不利な点を多々抱えることとなるでしょう。開業届や青色申告といった個人事業に関する申請をすることで、これら不利な点を解消できます。そのためやはり法的な手続きを取るべきと言えるでしょう。
また、従業員を雇用する際の社会保険および労働保険への加入など、条件によって不可欠となる手続きがあることも認識しておくべきです。開業する際の法的認可には、上記のような手続き関連だけではなく、事業内容に応じた資格の所持も含まれます。
飲食店経営に欠かせない資格としては主に、食品衛生責任者と防火管理者が挙げられます。
食品衛生責任者は、店舗の衛生管理に関する資格です。飲食店では、その資格取得者が1名以上在籍していなければなりません。
防火管理者は、火災予防に関する資格です。収容人数が30人以上となる店舗には、その資格取得者の在籍が必要となります。
コンセプト
上記で述べた資金や法的許可は、主に飲食店開業の具体的要素と言えるでしょう。しかしそれらに先立って用意すべきものが存在します。それは、飲食店経営に当たっての事業計画すなわちコンセプトです。
どのようなお店をどこに開き、どのくらいの規模にするのか? どのようなメニューを提供するのか? どのくらいの収益を目標とするのか? それらを事前に検討し、それを成功させるためにどのような手段を講じるか、綿密に計画を立てることが重要です。
これを抜きにして資金や法的許可など具体的要素の準備を進めようとしても、資金をどのくらい準備すれば良いのか、どのような手続きを取っていけば良いのか、見通しがつきません。事前にコンセプトを明確にしておくことで、無駄も不足もなく準備が進められると言えるでしょう。
どのような手順で取り組むべきか?
前項から、飲食店開業には資金、法的許可、コンセプトが必要であることを確認しました。
次に、それらをどのような手順で用意していけば良いのか見ていきたいと思います。前項で触れた通り、資金および法的許可に先んじてコンセプトを設定することが重要です。
まず、ターゲットとする客層、店舗の立地、提供するメニューなどを検討します。それと照らし合わせることで、用意すべき不動産物件、調理設備および機材、従業員数などが具体化し、必要な資金額が確定するでしょう。
そして、これら準備を整えるための必要資金を工面します。方法としては、自身の資産から拠出・金融機関からの融資・株式などによる出資金集めが挙げられます。その資金を当てて準備を進めながら、法的手続きを進めていくことになります。
コンセプトに即して、会社設立と個人事業のどちらでスタートするのが適切か判断し、手続きを行います。従業員の有無やその他条件によって必要となる届け出も併せて行います。
器材・従業員・手続き関連の全てをオープン前に確保できるようスケジュールが組めればベストでしょう。
コンセプト以前の段階で準備できる事柄
コンセプトを具体的な事業計画と見なすと、それよりもさらに先んじて準備できる要素があるかと思われます。つまり、「具体的な計画は立てていないが、将来的に飲食店を開きたい」といったような、将来の夢という段階から準備できる部分もあると考えられるわけです。資金および資格に関しては、それに該当するでしょう。
将来飲食店を開く資金として貯金しておけば、資金調達で工面する額を抑えられます。全て自己資産で資金を賄えるようであれば、自身がお店のオーナー兼経営者という立場となり、自由に経営に取り組むことができるでしょう。
食品衛生責任者および防火管理者の資格を事前に取っておくことも有効です。また、それに併せて調理師免許を取っておくのも1つの手と言えるでしょう。本来、飲食店は調理師免許を取得していなくても開業可能です。
しかし資格取得の過程で、調理に関する技術やノウハウを習得することができます。その技能は、飲食店を営むに当たって大いにプラスとなるでしょう。
まとめ
以上のように、飲食店開業において、まずコンセプトを確定しそれに準じて準備を進めていく手順を踏むことが適切であると言えます。さらに、飲食店開業を決定する以前から必要な要素を準備しておけば、より有利な経営展開が可能となるでしょう。
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