宇宙食開発を起源とするHACCPの手法

現在(2022年1月時点)、飲食店を含め食品を取り扱う全事業者を対象としてHACCPへの取り組みが義務付けられています。この手法は元々、宇宙計画に伴って行われた宇宙食の開発から始まります。その初期開発からどのような観点が現在にまで引き継がれているのでしょうか。

HACCPについて

たとえば食中毒など、消費者に何らかの危害をもたらすことが予想される要因を特定し、そのリスク低減策を確立していくための手法。HACCPを大まかに説明すると、概ねそのように言い表せます。

そのリスク軽減のための作業工程はCCP(重要管理点)と見做され、この衛生管理手法の肝とも言える部分です。HACCPは、CCPを有効に設定していくための方法論と捉えても差し支えありません。

HACCPの実施方法は、7原則12手順と言う形で規定されています。その手順に則って着手していくことで、CCPの効果が充分に発揮され、安全な食品提供が図れるというわけです。12手順の内、手順1〜5までが取り組みの準備に対応しています。そして、これに続く手順6〜12(=原則7〜12)までが実践内容に対応しています。この7原則の取り組みを継続していくことで、適切な衛生管理が実現されるわけです。

継続的に実施されることとなる7原則の流れは、次の通りとなります。

まず、手順1~5の段階で用意した取り組み体制を活かし、製品に当たる食品の取り扱い工程において、衛生状態を損なう危険性についてリストアップしていきます。(原則1)

続いて、原則1で挙げられた危険性に対処するための作業工程を決定します(原則2)。ここがCCPに該当する部分となるわけです。

CCPの確定を受けて、これをクリアしたと見做す基準すなわち許容限界を定め(原則3)、許容限界が守られたことを確認する方法を決めます(原則4)。

原則2・3・4の決定事項を踏まえて作業を行った際、許容限界を外れた場合の改善措置についても検討しておきます(原則5)。

加えて、HACCPが適切に履行されているか全体を検証する方法(原則6)や、策定した内容および実践した管理記録の保存に関してもルールを定めます(原則7)。

宇宙食開発の目的と、現在のHACCPまで活かされる観点

HACCPの考え方が確立されてきた背景には、人類が初めて月に降り立った「アポロ計画」があります。

その計画を成功させる上でクリアしなければならない要件の1つとされていたのが、100%安全な食糧でした。月面まで行き来する間、ミッションを遂行する宇宙飛行士たちは充分な医療を受けられません。そのため、体調不良などを確実に回避することが重要課題でした。その対策として、衛生的に絶対安全な食糧すなわち宇宙食の開発が必要となったわけです。

宇宙食の安全性を確実なものとするには、どういった生産方法を取るべきか? それを考えていく課程で、確かな衛生管理体制確立の手法があみ出され、これが現在のHACCPにも活かされているというわけです。

まとめ

以上のように、食品業界において不可欠となったHACCPの取り組みについて、その基本的概要を踏まえながら、HACCPの成り立ちに宇宙食開発があったことを確認してまいりました。

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