日本の国民食とも言えるラーメン。その中でも「麺のおいしさ」は、スープや具材と並んで味の決め手になります。そして、麺のおいしさを陰で支えるのが「かんすい」と呼ばれる素材。実はこの“かんすい”こそが、ラーメン特有の風味や食感、色合いを生み出しているのです。この記事では、かんすいとは何か、なぜラーメンに使われるのかを科学的かつわかりやすく解説し、ラーメン好きなら知っておきたい知識としてご紹介します。
目次
- かんすいとは何か?
- なぜラーメンにかんすいを使うのか
- かんすいがラーメンにもたらす風味と色
- かんすいの種類と配合による違い
- まとめ
1. かんすいとは何か?
かんすい(鹹水)とは、主に炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)や炭酸カリウム(K₂CO₃)などのアルカリ性の化合物を水に溶かした食品添加物の一種です。中華麺の製造には欠かせない材料で、古くは中国の内モンゴル地方にある湖水に含まれていた天然アルカリが発祥とされています。
現在では合成のかんすいが主流ですが、用途は変わらず、「ラーメンの麺をラーメンらしくする」ために不可欠な役割を担っています。ちなみに、うどんやそばには基本的にかんすいは使用されていません。
2. なぜラーメンにかんすいを使うのか
かんすいの最大の役割は、小麦粉中のたんぱく質(グルテン)と水の結びつきを変化させることによって、ラーメン特有のコシや弾力を生む点にあります。アルカリ性の性質によって、グルテンがより強く、粘りのあるネットワークを形成するため、もちもちとした食感や歯ごたえが出るのです。
また、かんすいは製麺中に生地をより緻密にまとめ、茹でても「のびにくい麺」に仕上げる効果もあります。つまり、スープに負けない存在感を持った麺に仕上げるためには、かんすいの力が不可欠なのです。
3. かんすいがラーメンにもたらす風味と色
かんすいを使った麺は、独特の風味と香りを持ちます。これはアルカリによる微細な化学反応の結果で、わずかに“卵のような香り”を感じる人もいます。これが中華麺らしい風味としてラーメンに深みを加えるのです。
さらに、かんすいには色にも影響を与える作用があります。アルカリ性のかんすいによって、小麦粉中のフラボノイドが変性し、黄色っぽい色味になります。これは卵を使っていない麺でも「黄色く見える」理由であり、ラーメン独特のビジュアルを支える重要な要素です。
4. かんすいの種類と配合による違い
かんすいにはさまざまな種類があり、主成分や配合比率によって麺の性質が大きく変わります。代表的な成分は以下の2つです。
- 炭酸ナトリウム(ソーダ灰):麺に弾力を与える
- 炭酸カリウム:より強いコシと弾力、やや苦味のある風味をもたらす
これらを単独または混合して使用することで、細麺・縮れ麺・もちもち系・パツパツ系など、さまざまな食感のラーメン麺を作り分けることができます。さらに、熟成時間や加水率との組み合わせによって、仕上がりに大きな差が出るため、製麺はまさに“科学と職人技の融合”と言える分野です。
5. まとめ
「ラーメン=スープの味」と思われがちですが、実はその魅力の半分以上を支えているのが“かんすい”による麺の力です。弾力、色合い、のびにくさ、そしてわずかな香り。すべてがラーメンのアイデンティティをつくりあげています。
菅野製麺所ではスープに合わせてオリジナルの麺を提供することも可能です。少量注文にも対応しておりますので、まずはサンプルからお試しください。開業を考えている、または新しいメニューを考えているというオーナー様と共に、麺を追求していきます。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。
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