HACCPについて食品業界で必須の衛生管理手法をわかりやすく解説

HACCPについて食品業界で必須の衛生管理手法をわかりやすく解説


HACCPは、食品の安全性を高めるために導入が義務化された衛生管理手法です。飲食店や食品製造工場など、食品を扱うあらゆる現場で求められており、適切に理解し運用することが求められます。しかし、名前だけは知っていても「具体的に何をするのか?」「なぜ必要なのか?」といった疑問を持っている方も少なくありません。本記事では、HACCPの基本的な考え方や導入の目的、具体的なステップをわかりやすく解説します。

目次

  1. HACCPについて
  2. なぜHACCPが必要なのか
  3. HACCPの基本7原則と12手順
  4. 飲食店や中小事業者への義務化の背景
  5. 導入のステップとポイント
  6. まとめ

1. HACCPについて

HACCPとは、「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害要因分析・重要管理点)」の略で、食品の製造・加工・提供の各工程でリスクを事前に分析し、重要な管理ポイントを定めてモニタリングすることで安全性を確保する方法です。アメリカで宇宙食の安全性確保のために開発されたのが起源で、現在は世界中で採用されている国際的な衛生管理手法です。

2. なぜHACCPが必要なのか

従来の衛生管理は、問題が発生した後に対応する「事後対策型」が主流でした。しかし、それでは消費者に被害が及ぶリスクがあり、信頼を損なうことになります。HACCPは問題を未然に防ぐ「予防管理型」の考え方で、あらかじめ危害要因(微生物・異物混入・化学物質など)を分析し、対策を講じることで重大な事故を防ぐことができます。

3. HACCPの基本7原則と12手順

HACCPには「7つの原則」と、それを実行するための「12の手順」が定められています。

まず、12手順では組織体制の構築や製品説明書の作成、製造工程図の作成、ハザード分析などを段階的に進めます。次に、7原則では「重要管理点(CCP)の決定」「管理基準の設定」「モニタリング方法の決定」などを行い、文書化と記録保存を徹底します。これにより、常に安全を維持する仕組みが構築されます。

4. 飲食店や中小事業者への義務化の背景

2021年6月から、HACCPに基づいた衛生管理がすべての食品等事業者に義務化されました。規模や業態によって“完全なHACCP”と“簡易的HACCP(基準B)”のいずれかの対応が求められます。たとえば小規模な飲食店では、厚生労働省の「業種別手引書」に沿った管理でも可とされており、事業者ごとに実態に合った運用が可能です。

5. 導入のステップとポイント

まず、自社の製品や業務内容に応じて「どのような危害要因が考えられるか」を洗い出します。次に、それぞれの工程で安全に影響を与える要素(加熱温度、冷却時間、異物混入の可能性など)を抽出し、重要な管理点を定めます。

ここで注意すべきは、記録の徹底と見直しの仕組みです。HACCPは一度導入すれば終わりではなく、日々のチェックと改善が不可欠です。調理手順の変更、設備の入れ替え、人員の異動があった場合などは、再評価を行いましょう。

また、HACCPは現場スタッフの理解と協力が成功のカギです。教育訓練の実施、誰が何をいつやるのかの明確化が大切です。パートやアルバイトも含めた意識統一を図ることが、効果的な運用につながります。

6. まとめ

HACCPは単なるルールではなく、食品を安全に届けるための「考え方と仕組み」です。消費者の信頼を得るだけでなく、事業者にとっても事故やクレームのリスクを減らし、持続的な経営に直結する重要なツールといえます。飲食店・製造業問わず、事業の規模やスタイルに応じたHACCPの導入・運用を着実に進めましょう。

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