個人で開業している飲食店の経営者は、惣菜は常温だけでなく、「冷凍食品」や「惣菜半製品」と呼ばれるものがあることをご存知でしょうか?これらはコンビニでも数年前から手軽に購入できるようになり、1人暮らしの方や高齢者の方の需要が伸びています。
今回は、常温と冷凍食品の惣菜の違いについて紹介します。
【常温とは何度?】
はじめに、そもそも惣菜に貼られているシールの「常温」とは何度くらいでしょうか?
一般的な常温は、その単語を使用する地域によって変わるものです。
そのため、食品衛生法や農林水産省が公示するJAS法にも公開されていません。
そこで、広く使われるようになったのは、厚生労働省が定めた薬事法に基づいた「日本薬局方」という医薬品の規格基準書に記載されている「常温」です。はじめは、医薬品の品質管理の適正を図るための基準でしたが、食品でも使われるようになりました。
日本薬局方によると、次のようになっています。
①常温 15~25度
②室温 1~30度
③冷所 1~15度
つまり、屋内でも25度までが常温扱いとなります。近年、日本全島で平均温度が上がる傾向にあるため、いろんな食品が冷蔵庫で保管したほうが良いといわれています。
次に、常温の惣菜と冷凍食品の惣菜の違いについて述べます。
【常温の惣菜と冷凍食品の惣菜の違い】
簡単に説明すると、常温の惣菜は「すでに調理完了しており、消費者がすぐに食べられる状態のもの」を指します。
冷凍食品の惣菜は、フライパンで解凍・レンジで軽く温める必要があるものを指します。
また冷凍食品のなかでも、焼いたり揚げたりする必要がある食品のことを惣菜半製品と言います。
両者は、食材にもよりますが、常温で保存可能な時間が大きく変わります。
おにぎりを例にあげてみます。
常温のおにぎりは、作成後6時間で味の劣化がはじまり、8時間後には雑菌の繁殖が進みすぎて食べないほうが良いとされています。
一方、冷凍食品のおにぎりは、常温で解凍されるのにおよそ3時間要し、解凍されるまで味の劣化は起こりません。しかし解凍8時間後に劣化がはじまり、10時間後には食べないほうがよいとされています。
つまり、惣菜は雑菌が繁殖し易い温度を避けられる冷凍食品のほうが長い保存期間になっています。
【最後に】
常温に長時間放置した惣菜は、食中毒などのリスクがあります。これを避けるために冷凍食品や惣菜半製品が誕生しました。個人的な考えですが、惣菜は作り立てが、見た目も良く、味も一番美味しいでしょう。
用途に合わせ、常温の惣菜か冷凍食品の惣菜か慎重に選びたいものですね。