飲食店を開業するにあたり、ご自身の思い描いたコンセプトを基に、立地・内外装・メニュー・接客などをしっかりと構想を練って、事業計画をし、これまでに至ったことでしょう。では、いざ開業と考えたとき「日取り」も検討しなくてはいけません。よく、「お日柄も良く」といわれますが、それは大安の日に使われます。では、店舗の開業は必ず大安に行わなければならないのでしょうか。
■そもそも大安とは?
六曜という言葉だけ聞いてもあまりご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、カレンダーを見ると「大安」「先勝」「友引」「先負」「赤口」「仏滅」といった6種の曜を見かけたことはあるでしょう。
その中でも大安は「大いに安し」とされ、万事進んで行うのに良い日という意味で、六曜の中で最も吉の日とされています。そのようなことから、結婚式や自動車の納車日まで大安にこだわるのもおかしくない話です。
■大安よりもレアな吉日がある
六曜の大安のことは上記の通りですが、開業をするからにはもっと特別な日取りにしたいとお考えの方へ耳寄りな情報を少し。実は、日本の暦の中で縁起が良いとされる日が他にもあるのをご存知でしょうか?
◎天赦日
その中でも超レアな日が「天赦日」(てんしゃにち)です。天赦日は1年に6日ほどしかなく、日本の暦の中で最上に位置付けられる吉日です。天赦日は百神が天に昇り、天が万物の罪を赦す日という意味を持ちます。
年間の日数が少ないことから、大安よりも物事を始めるのに適した最高の日とされていて、開業にも最適な日とされています。
◎一粒万倍日
物事を始めるのに良い日とされ、お金を出すことも吉とされているのが「一粒万倍日」(いちりゅうまんばいび)です。その名の通り一粒のもみが万倍にも実り、素晴らしい稲穂に膨れ上がる意味を持ち、元々は種まきに適した日とされていましたが、こちらも、物事を始めるのに良い日とされています。
この吉日は、月に4~7回あるので「大安」や「天赦日」など他の吉日と組み合うこともあります。そうなると、さらに日柄の良さは倍増といえるのではないでしょうか。
■古代からの暦中「十二直」
六曜以外にも古代からそれぞれの日に割り当てられている「十二直」と呼ばれる暦中があります。北斗七星の動きを吉兆判断に用いたもので、古(いにしえ)にはよく利用されていました。その中で、店舗開業に良いものをご紹介しましょう。
◎建(たつ)すべてのものを建て生じる日
新規事業の開始、開店に最適である。
◎満(みつ)すべてが満ちる日
新規事業、移転、旅行、種まきなどすべての祝い事に最適な日
◎平(たいら)物事が平等・円満に成立する日
地固め、柱建て、種まき、移転などすべての祝い事が吉
◎定(さだん)も小野ごとが定まってとどまる日
建築、新規事業、開店、売買に吉。
◎成(なる)何事も成功する日
新規事業、開店、移転、種まき、婚礼などが吉
■まとめ
日取りの決め方にゲンを担いで吉日を選ぶ経営者はやはり多いものです。上に立つ人は日々選択と決断の連続から、占い師と契約を結ぶケースもあるといわれています。
非科学的なことはいっさい信じないという人は別として、開業という一大事では先人にならってできるだけ日柄の良い日を選びたいものです。
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