FSSCという言葉は、食品業界に携わっている人なら、誰でも耳にする事があるでしょう。一般的に使われるようになったFSSCという言葉ですが、その意味を知っているでしょうか？今回はFSSCという言葉の意味と、そのなりたち、そのほかの食品安全規格との相違点を解説します。
FSSCという言葉の意味
まずFSSCとは、「Food Safety System Certification」を略した言葉です。Food Safety System Certificationは日本語では食品安全システム認証と訳されます。新たな国際規格として、世界的な標準規格となりつつあります。
FSSC22000は、従来の国際規格である「ISO22000」と前提条件プログラム「セクターPRPに対する技術仕様書」に「FSSC独自の追加要求事項」を合わせて構成されています。
権威ある機関であるGFSI（Global Food Safety Initiative)の承認規格でもあり、世界中の食品業者が認証を目指している規格です。FSSC22000の認証を受ける事で、海外でも高い信頼を得る事が出来ます。
「GFSI」は「Global Food Safety Initiative」の略で、食品安全システムの改善を目的とする非営利団体です。「どこの消費者にも安全な食品を届ける」というビジョンを達成する為に、食品安全規格や食品安全システム、認証システムなどを評価し、要件を満たしたものをGFSI承認認証規格として発表しています。
SQF、ISO22000、HACCPなどその他の食品安全規格との相違点
国際的な食品安全規格はFSSCにも、SQF、ISO22000、HACCPなどがあります。それらとの相違点を順番に見て行きましょう。
SQFとの相違点
「SQF」というのは、「Safe Quality Food」を略した言葉です。SQFは、豪州で作られた食品安全規格の一つです。HACCPの管理手法をベースにしており、その内容を補足したものとなっています。原材料及び資材の安全性と品質・工程上の安全性と品質・最終的な製品の出荷基準・企画の管理体制などのすべてが必須の規格要求事項となっています。
SQFも、FSSC22000と同様にGFSIが承認した国際規格の一つですが、SQFは製品のみを対象としており、FSSC22000は運用システムを対象としているという相違点があります。なお、SQFの認証を取得すると、認証マークをその製品に貼付する事が許されます。
ISO22000との相違点
ISO22000はFSSC22000のベースとなった国際規格ですが、ISO22000では、衛生管理規範が統一されておらず、個々の企業に任されている部分がありましたが、FSSC22000では詳細に明示しており、より一層わかりやすくなっています。
HACCP（ハサップ）との相違点
HACCPとは、「Hazard」・「Analysis」・「Critical」・「Control」・「Point」の頭文字を取った略語であり、国際的な食品安全のガイドラインとなっています。
食品製造・加工の工程で生じる可能性のある危害を分析し、対策する事でより安全な工程管理を実現しようとするものです。
HACCPは食品製造業者を対象としていますが、FSSC22000は包装資材を扱う業者も対象になっているという違いがあります。
今後の取り組みFSSC22000
品質管理の取り組みは、今後は当然のように必然性を帯びてきます。これは、世界規模での考え方でもあります。毎年のように追加要求をクリアして行く事が、品質管理の安全性を確実に認知してもらう事につながります。
まとめ
今回はFSSCの意味とその他の国際規格との相違点についてお伝えしました。FSSC22000の重要性と先進性についてより理解が深まった事と思います。もしまだFSSC22000の認証を受けていないなら、これから積極的に取り組みをしてもらいたい課題です。
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