衛生管理方式の枠組みHACCPはどのような機能を果たしているのか?

HACCPを衛生管理という広い枠組みでとらえるとどうなるのでしょうか?
そこで大切となるがPPです。また、HACCP管理は「HACCPプラン」と「複数の準備」に区分することができます。それでは「PP」や「HACCP管理」などについてみてみましょう。

■はじめに、HACCP=(危害分析重要管理点)とは?

◎HACCPとは、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。

■PP=(一般的衛生管理プログラム)ってご存知ですか?

HACCP管理をする上で大切となります。それではPPとは一体何でしょうか?

◎施設・設備など
工場を適切な安全を守る方法で昆虫の発生やネズミなどの隠れ場所が出てこないように、整地・整理整頓します。例えば、水たまりやほこり、塵など防止のため、必要に応じて舗装します。

◎従業員の衛生管理とは?
・毛髪の脱落を防止するタイプの帽子の中に収めることです。
・従業員は清潔な作業服、帽子、靴を着用するようにします。
・異物混入を防ぐため、以下の不要物を持ち込まないようにします。

◎水、氷、水蒸気の管理
添加水、調理時に使用する水および食品に直接接触する水、氷は、食品衛生法で定める食品製造用水でなければなりません。

以上の項目以外に様々な要項があります。

■それでは、HACCP管理を支えるのに必要な7原則!

◎危害要因分析を管理する上で、必要となるHACCPプランを作成するためには7原則を知っていく必要があります。

~原則1「危害要因分析の実施」~
工程ごとに原材料や行程中に生じうる危険の可能性を挙げ、管理方法をみつけていきます。

~原則2「CCP=(重要管理点)」の決定~
危険のある要因を低減・除去するべき特に大切な工程を決めます。(加熱殺菌、金属探知等)

~原則3「CL=(管理基準の設定)」~
CCPに合った管理をするために指標を設定し発見した危害要因分析をします。
例えば、温度の場合=フライヤーの油温 170℃以上 2 分以上
(中心温度が 75℃以上 1 分間以上を担保できるように)

~原則4「モニタリング方法の設定」~
適切にCCPで管理しているかを正しい期間で確認・記録します。

~原則5「改善措置の設定」~
監視の結果、CLが逸脱していた時に対応すべき措置を設定します。

~原則6「検証方法の設定」~
修正の有無が必要かどうか検討しHACCPプランに沿って管理を行います。

~原則7「記録と保存方法の設定」~
記録はHACCPを実施した証拠です。また、仮に問題が発生したとき工程ごとに状況をさかのぼって、原因を探す助けになります。

◎7原則を成り立たせるためには「準備」が必要となります。では、その「準備」とは?

・準備1=「チームの構成」
計画を作成するには,最初に必要となるのがチームの編成です。

※それ以降の「準備2,3」は危険要因分析の段階になります。

・準備2=「製品説明書の作成・製品説明書の作成」。
危険分析の基礎データとなる、計画作りが最初の作業が、「製品説明書の構成」です。これは製品の特性・原材料・賞味期限などを整理したものです。

・準備3=製造工程一覧図、施設の図面及び標準作業書の作成。
初めに、「製造工程一覧図」を作ります。これは、原材料の受け入れから出荷にいたるまで、全体的・個別的に製造工程を把握するために作成します。また、「施設の図面」を作成する。これも原材料搬入から製造の出荷にいたる施設内の人の流れの動きを明らかにするために作成します。最後に、工程名・使用する器具・所要時間などを記載する「標準作業手順書」を作成します。

以上が、一覧表に記したものを「HACCPプラン」です。

■まとめ

衛生管理において、危害を及ぼす原因となるものを、軽減・除去する段階を三角形でイメージして理解します。最初の「準備」が底辺の部分にあたります。さらに「7原則」の部分が頂点のところになります。つまり、「準備」上に「7原則」が、乗っかっているようなイメージです。これがHACCP管理の全体イメージです。

さらに、それ以外にも前段階で必要なPPも重要です。三角形の下にさらに土台となるPPが存在すると思ってください。これがうまく機能することにより安全に衛生の管理が保たれます。我々が普段口にしているものはこのような管理のもとで安全・安心に食べ物を買うことができます。

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