生パスタのルーツを知る事で生パスタの深みにハマる

麺好きの人は、生パスタだけではなく、ラーメンやそば、うどんなどの特徴や美味しさについて語る事もあろうかと思いますが、好きなればこそ、生パスタの歴史やルーツにだって興味を示すはずです。「好きこそものの上手なれ」です。是非、生パスタの深みにハマってください。

■イタリアに渡るまでの麺

生パスタのルーツとなれば、イタリアからスタートするのが、筋なのですが、中国の歴史の長さから考えると、中国の麺の起源がシルクロードを経由してイタリアに渡り、「生パスタ」のルーツとなったと言う見解の方が、皆さんが歴史を勉強した中でも、正しいと思われるのではないでしょうか。

日本では、遣唐使によって「うどんやそば」の製法の元になる麺が伝わったと言われています。また、別の見解としては、古代ローマの穀物をスープ状にしたものが始まりと言われていますが、確かな事は、イタリアのパスタがトマトと出会った事から始まっているのではないでしょうか。まずは、中国の麺のルーツからお話ししましょう。

◎1800年前の後漢という中国王朝の語学書
中国王朝の語学書には、麺の製法について説明されているようです。1500年前の「斉民要術(せいみんようじゅつ)」という農業に関する学術書に、麺の製法や調味料について記載されています。これは、手延べ麺となる「中国ラーメン」の元となったもので、日本では「ソーメン」の元になったのです。

しかし、世界的に最初に伝わったものは「切り麺」でした。これが、日本のうどんやそばとなり、イタリアでは、1279年に記録のあったパスタのマカロニとなりました。

イタリアの生パスタの由来には、ローマから伝わったのか、シルクロードを通じて中国から伝わったのか定かではありませんが、現在の生パスタから想定すると、トマトがイタリアに伝わってからいろいろな調理方法が記録されるようになりました。生パスタを世界的にも広める事にも由来するので、トマト料理とパスタの融合が現在の生パスタのルーツと思えるのですが、いかがでしょうか。

◎イタリアへのトマトの伝来
16世紀に観賞用のトマトがイタリアに渡ってナポリ地方で、食用として広く全土で栽培されるようになりました。日本で有名なパスタである「ナポリタン」はここから由来しているのですが、本場イタリアには、「ナポリタン」と言う料理方法は存在しないので、日本独特のオリジナルなのです。
トマトの原産国は、南米のアンデス地方から伝わったと言われています。現在の生パスタの調理方法には、ソースをからめて食べる方法は、トマト料理(トマト・ソース)と相性が良いのを、発見した事によるものです。

イタリアの料理本にはAntonio Latini (1642年から1692年)によって、スペイン風トマトソースとしてレシピが掲載されています。このような歴的な記録からすると17世紀の中ごろには生パスタのレシピがあり、18世紀の末頃からフランス料理やヨーロッパ料理として、紹介されたのではないかと推測します。18世紀の後半にはイギリスの産業革命をきっかけに、手作りだったパスタ作りの機械化へと進んでいきます。

■日本の生パスタのルーツとは

明治時代の1883年頃の長崎にいた、フランス人宣教師マリク・マリ・ド・ロ神父によって、「マカロニ工場」を建設したとなっています。日本初の生パスタのルーツとなるのは、大正時代に新潟で製麺業を営んでいた石附氏に対して、横浜の貿易商がマカロニの製造を依頼した事から始まりでしょう。

この当時としては画期的で、「原料の配合」「練り」「圧縮押し出し」「乾燥」を個別にする「パッチ式」と呼ばれる製法で、少量の生産しかできないので、レストランでの提供は大変貴重な料理となっています。日本でパスタが一般的になるのは、昭和30年代にイタリアから全自動方式によるパスタの製造機を、輸入してから急速に発展してきたと言えます。

■パスタのルーツは日本人によって進化した

ラーメンのルーツが元々中国であったのだが、現在のラーメンと呼ばれるルーツは、日本人が料理やそれを作る機械にいたるまで必要に応じて進化させた結果が、「日本がオリジナル」となる「ラーメン」に発展しているのです。

今や世界中で「ラーメン」と言えば日本なのです。同じように生パスタも独自に調理方法や製造機械に至るまで、日本人によって独自性を打ち出しているのです。生パスタが日本人によって、新しい進化を見せる事も決して不思議な事ではないのです。どうぞ、生パスタの深みにハマってくれる事を期待します。

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