日本におけるhaccpの義務化と、東京オリンピックとの関係とは?

日本はhaccp導入を2020年に本格的に迎える中で、同じ年に控えている4年に一度のスポーツの祭典オリンピックがきます。そんな、スポーツとhaccpがどのような関係性にあるのか?疑問に思った方もいると思います。今回は、haccpとオリンピックの関係についてみてみましょう。

■haccpの意味とは?
そもそも、haccpはアメリカの航空宇宙局(NASA)が健康被害による、リスクを排除するために安全に、宇宙食を作ることを目的として開発しました。そんなhaccp制度を国際食品規格委員会(CAC)が、一般飲食に取り入れました。

haccp制度は危害の要因となる箇所を分析して、工程管理システムと呼ばれるもので、特に重要視される工程を、継続的に監視や記録をして防止するのです。これを制度化するということは、「危害の分析→防止工程を作る→監視→記録する」というシステムが作業ラインに入ることを意味しています。

■世界各国で、haccpはすでに浸透している
海外の国では義務化が進んでいます。たとえば、米国は水産物や食肉等はhaccpの義務化がされています。EUでも、1次産業を除くすべての食肉加工品、流通業者にその概念が取り入れられた衛生管理を義務付けしています。

台湾では食肉、乳製品、水産食品等の事業者にhaccpの義務化がされています。韓国では空港にある食品はすべて、haccpのマークがついており販売されています。

~対象となる業者とは?~
・一般食品店 = ラーメン、すし、ファミリーレストランなど。
・製造・加工業 = ケーキ、パンなど。
・配食業者 = 病院・介護施設・学校等給食センターなど。
・運送業 = 冷凍車など。
・倉庫業 = 冷蔵倉庫など。
・小売業者 = コンビニエンスストア・スーパーマーケットなど。
・風俗営業関係 = バー・スナックなど。
・旅館業関係 =ホテル・旅館など。
・重要食堂 = 保育園内食堂等。

■罰則等は存在するのか?
対象となった業者すべて、haccpを遵守する必要があります。haccpの書類を確認する際、保健所が監視に立ち入り確認します。仮に従わない場合は、地方自治体から行政指導を受けます。

指導に従わず、人の健康を損なう可能性がある食品を製造した場合は、改善が認められるまでの間、ペナルティをかせることができます。その施設に対して、行政は営業許可書の取り消しや全部もしくは一部の営業することの禁止、または一定期間の停止を行うことができます。さらに、それらの処分に対して、営業を行った場合は罰則が適用されます。

■なぜ、2020年にhaccpの導入をするのか?
1998年にhaccpの早期普及のために、企業にhaccp導入に向けて国費の財政支援を、可能にする「5年間の臨時措置法」が成立しました。その5年後の2003年を迎えたときには、臨時措置法を5年間延期し、2008年にも5年間の再遅延をしました。

さらに、2013年度には10年間の延期をして、haccpの導入普及を図りました。2013年は、2020年東京オリンピックの開催が決まった年であり、さらに臨時措置法の10年間の導入延期を図ったのかは、これが大きく関わっていることも一因といえるでしょう。

■まとめ
すでに、日本に先駆けて世界各国は、haccpの導入を行っております。2020年度にはようやく、我が国でもhaccpの義務化がはじまります。また、その年はオリンピックが開催される年でもあるので、海外から観光客がたくさん来る中で、食の信頼は共通認識となることでしょう。

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