平成30年6月に食品衛生法が改正公布され、全ての食品等事業者にHACCPに基づく食品衛生管理が求められています。モニタリングや継続的な記録を、飲食業などの事業者は、食品関係業種団体が作成したHACCPの考え方を取り入れた衛生管理手引に基づいた、実施上での対応課題を抱えています。
食品衛生法HACCP(ハサップ)とは
アメリカの航空宇宙局(NASA)が、1960年に宇宙食の安全性を確保するために考案された食品衛生管理システムで、Hazard Analysis and Critical Control Pointの頭文字HACCP(エイチエーシーシーピー)をハサップと呼んでいます。
1947年終戦直後は食品の衛生水準が低く、食中毒が頻発する事から人々の健康を守るために最低限の衛生確保に最終製品の抜き取り検査等により、安全性を担保するものでした。
近年の衛生管理手法(HACCP)は食品の安全性を確保して、必要な規制を講ずることで飲食に伴う衛生上の危害の発生を防ぎ、食中毒の発生防止と食品の安全性確保のために積極的な役割が期待されています。
幾度かの法改正により、2005年に導入されたポジティブリスト制度は、食品の残留基準が設定されていない農薬残留する食品の製造、加工、販売などを原則禁止し、製造工程段階を連続的に監視することによって最終製品の安全性を保証するものです。
HACCP導入による衛生管理
異物混入等による食品回収件数が増加傾向にあり、国際標準のHACCPに基づく衛生管理を導入することで、食の安全性を示していく必要があります。
〇食品の製造や調理過程で、微生物や化学物質などの異物を明らかにして食品安全確認する。
〇食中毒等の発生を防ぐ上で、明らかな危害の中から極めて重要な管理点(CCP)を決定する。
〇管理点ごとに、守られるべき基準(温度、加熱時間等)を定めます。
〇決められた基準が守られているかどうかをモニタリングによって確かめ、対策や対処方法を決め、各工程作業の標準作業手順書を文書化する。
〇モニタリングの結果を記録し保管して、HACCPに基づいて安全に製造されていることを確認する。
以上の衛生管理を連続的に徹底して行うことで、食品工場や飲食店などの食中毒を予防する事が出来ます。
HACCP導入への課題や問題点
HACCPを導入するにあたって、次の課題や問題点が考えられます。
〇知識不足 ⇒ 目的の情報収集が必要。
〇財源負担 ⇒ 導入前段階での施設体制の整備。
〇人材負担 ⇒ 業務遂行する食品事業者の慢性的な人手不足で余裕がない。
〇一般的衛生管理の実施 ⇒ 施設の設備や調理器具、食品を扱う従業員の健康管理などの一般的衛生管理徹底を実施することが必要です。
〇会社全体の意識ある取り組み ⇒ 従業員や会社全体が同じ意識を持って取り組むためには、経営者がHACCP導入目的や強い意志を持って取り組む必要があります。
食品衛生法(HACCP)に対応する課題
改正された食品衛生法での課題は次の通りです。
〇課題1:HACCP関連文書の記録に人手と時間がかかる
食品事業者は衛生管理対策の実施や記録保管が求められています。管理項目記録は手作業で行っているため、人材不足の深刻化する企業は人手や時間がとられ本業の製造工程に影響が出る課題があります。
〇課題2:HACCP記録の保管が膨大になる
HACCP記録データを紙媒体で保存しますので1~3年間保管する紙の量が膨大になり、ファイリングの手間や保管場所の確保など新たな課題が出てきます。
〇課題3:温度の記録漏れなど、人為的ミスの懸念
人による管理業務は、人為的ミスの発生を完全に防ぐことは難しく、測定した数値の読み間違いや手書き文字の転記や記入漏れなどのミスが懸念されます。
〇課題4:徹底した従業員教育の難しさ
人材不足が深刻化する製造業では多様な人材を採用しているため、安全衛生管理規則上での外国人や未経験者へ徹底した教育が大きな負担になります。
まとめ
食品衛生法(HACCP)が国際標準になり、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、科学的根拠に基づいたHACCPの国際制度化は必然です。食品事業者は、HACCP支援法による金融支援も視野に入れ、公的機関や各指定認定機関等に相談して課題解決をして行きましょう。
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