2021年6月から衛生管理の制度、HACCPが義務化されます。HACCPはアレルギー物質であるアレルゲンが誤って混入する事や食中毒を未然に防ぐための事業者が自ら率先して行う制度です。今回はHACCPの概要と対策、どのようにすれば事故を未然に防げるのかをお伝えします。
HACCPについて
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、食品に関わる事業者が自ら、原材料から出荷に至るまでの全工程を隅々まで危害要因をチェックし取り除いていく、又は要因を小さくしていくことで安全性を高める為の衛生管理を指します。
HACCPはWHO(世界保健機関)と国連のFAO(国連食糧農業機関)の合同機関、コーデックス(食品規格)委員会から発表され、国際的に推奨され認められている規格です。
従来の検査方法は製造工程の中でサンプルを抜き取って混入物の有無などを確認するやり方でしたが、HACCPでは要因となりそうな重要部分を事前に見つけ排除していくという考え方です。
アレルギー食材(アレルゲン)の原材料表示
〇表示義務があるもの
乳、卵、小麦、そば、落花生、エビ、カニ
〇表示が推奨されているもの
牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、鯖、アワビ、イカ、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、くるみ、ゴマ、大豆、バナナ、松茸、桃、山芋、りんご、ゼラチン
HACCPに準拠した工程ではこれらのアレルゲン食材が、それらを使用していない食品に誤って混入しないように管理、コントロールする必要があります。
HACCPの基本
①危害分析:危害の原因の明確化
要因となりそうな危害をリストアップし重要度を決定します。
②重要管理点の決定:CCP(重要管理点)の決定
・前提条件プログラム(Prerequisite Program)の管理だけでは不十分であること。
・製造工程上で必要なモニタリング、記録、修正処置ができ、管理するべき事項を自ら把握し制御できること。
③管理基準の設定:重要管理点(CCP)を把握する為の管理基準、食の安全を確保する為の許容レベルの基準を設定します。
④モニタリング方法:各家庭で食材が適切に管理されているかどうかの確認方法
・製造過程において適切なタイミングでチェック、記録、修正処置が行えること。
・結果を迅速かつ正確に得ることができ、処置を必要とする場合は結果に基づき適切に処置が行えること。
・教育を受けた担当者は、各モニタリングのポイントを正確に把握し、適した方法で行うことができること。
⑤修正処置の設定:問題が発生した場合には適時修正対応
正常な状態に戻す手順、その時に製造された製品の区分と処置、担当者と処置の判断をした責任者、実施した処置の内容の記録とその保管。
⑥検証方法の設定:HACCPプランが正しく行えているかを確認し、必要があれば適時修正する。
⑦記録の維持管理:各ポイントでのモニタリング、修正処置の記録、担当者、保管場所を明確にします。
交差汚染について
交差汚染とは食中毒の病原菌が人やものによって工程の中で誤って混入されてしまう事を言います。交差汚染は従業員や原材料、食材に使う水、機械に使う冷却水、調理器具、雑巾、工場内の空気など、様々な要因から媒介して起こります。
いつどのルートでどのように起こりうるか、を予測して要因を未然に取り除く事が重要になってきます。
アレルゲン混入を未然に防ぐ
HACCPの規定に基づきアレルゲン物質が混入する事を防ぎ、管理していきます。
1.原料のアレルギー物質を把握する。
2.アレルギーの原料を保管や使用において、他の食品と識別管理し、誤使用がないようにする。
3.アレルギー物質の侵入を防止する手順を定める。
4.ライン間の汚染や、清掃後の残留する汚染が起こらないように、手順に従った管理、清掃を行い記録に残す。
5.交差汚染がないことの検証をして、評価し記録する。
例をあげると、ライン工程で別製品切替時に隅々まできちんと洗浄が行えているかを確認、製造機器や調理器具はできるだけ専用のものにして同じものを使用する場合は十分に洗浄する、など。
まとめ
基本的な考え方は施設内や店舗を清潔にして、食材の安全な管理、従業員の健康管理、清潔で働きやすい環境を作る事が衛生管理にはとても大切です。HACCPの内容を熟読してよりよい環境にする事が大事です。
菅野製麺所の皮類製造現場は、全国製麺協同組合連合会のHACCP高度化計画の認定を受けていますので、安心して召し上がっていただけます。餃子やシュウマイ、肉まん、あんまんなどの点心を家庭の食卓で楽しめます。こだわりぬいた食材と製法で作られたひと味違う点心をぜひご賞味ください。
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