冷やした中華麺を提供する際の注意点

じめじめした時期から、暑い夏場にかけて中華店で見かけるようになる「冷やし」の文字。外で仕事をする人のみならず、食欲不振の人にも人気があるメニューですが、そのような冷やした中華麺を提供する場合には様々な注意点があります。今一度、確認をしてみましょう。

カンピロバクター食中毒

カンピロバクター症は、近年発生している食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒です。原因施設としては飲食店がその大半を占めていることと、発生時期が5月~7月にかけてピークになることを考えると、冷やした中華麺を提供する時期と重なることも考えられ、気を付けたい食中毒です。

カンピロバクターの予防法は、乾燥や熱に弱いので、調理器具は使用後によく洗浄して消毒・乾燥をしっかりとしましょう。また、トッピングに使用する食肉はしっかり加熱して提供するようにしましょう。

食肉から中華麺への2次感染を防ぐために次の点に気を付けてください。

ア)生肉を取り扱う調理台と完成した料理を置く調理台を離して設置すること。
イ)生肉を取り扱った後は、十分に手指を洗浄すること。
ウ)盛り付けた作業には、使い捨ての手袋を使用すること。
エ)相互汚染を防止するため、生肉は専用の蓋付きの容器に入れるかラップをかけること。

食品が汚染されても匂いや味に変化がないことで、菌が増殖していても気づかないこともあります。しかし、カンピロバクターは比較的弱い菌であり、熱や各種薬剤で不活化でき、塩素系消毒剤やアルコール消毒、75℃で1分以上の熱湯消毒も有効です。

麺だけではないスープにも気を付けたい

食品を十分に加熱しておくことで食中毒は防げると思われがちですが、菌の性質によっては過熱しても食中毒が発生する場合があります。

ウエルシュ菌食中毒とは、大量に作り置きをしておく機会の多い煮込み料理に増殖しやすい菌で、カレーやシチュー、スープを連想される人もいらっしゃると思いますが、実は冷やし中華のタレが原因食品となることもあります。

ウエルシュ菌は、人や動物の腸内だけでなく、自然界にも広く存在している細菌です。その多くは熱に弱く、ウエルシュ菌も100℃の熱湯で数分間加熱すれば死んでしまいます。しかし、ウエルシュ菌の一部は生命の危険を感じると「芽胞」という形態に変身します。

この細胞になると、熱に耐えることができるようになり、100℃で1~6時間加熱しても死にません。このようにして、加熱処理をした食品内でウエルシュ菌が生き延びることができるのです。

調理後に冷やすことが通常の、冷やし中華のタレは、室温で長期保存せず、あら熱を取る工夫をし、急いで10度以下に保存をするようにしましょう。

まとめ

中華麺を冷やして提供するメニューは、加熱を含まない食材をトッピングに使用することから、細心の注意が必要です。また、タレにはうま味成分であるアミノ酸や糖類が豊富に含まれていることから裏を返せば、その調味液は大腸菌の好む原因ともなりうるのです。この時期にこそ出せるメニューですが、この時期だからこそ気を付けなければいけないこともあるようです。

菅野製麺所ではスープに合わせてオリジナルの麺を提供することも可能です。少量注文にも対応しておりますので、まずはサンプルからお試しください。開業を考えている、新しいメニューを考えているというオーナー様と共に、麺を追求していきます。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。

公式サイト
http://www.kannoseimen.com/