個人事業主として事業を営むために必要な書類がいくつかあります。
その中でも税務署に提出する「個人事業の開業・廃業届出書」。
そしてこの書類に記載する開業日は、青色申告承認申請の起算点になります。
なお、開業届は開業して1か月以内に提出することが必要ですので、忘れないようにしましょう。
開業届の提出を
いわゆる開業届と言われる「個人事業の開業・廃業等届出書」は、今後、青色申告を行うのか、それとも白色申告で申請するのかを問わず提出する書類です。
実際には「青色申告承認申請書」と同時に提出することになるでしょう。
・届出書の納税地の欄に注意
個人事業の開業・廃業届出書は、2016年以降導入されたマイナンバーに対応する書式となっています。
そのため、届出を行う際には本人確認だけでなくマイナンバーも必要です。
なお、届出書に記入する事項で注意したいのは納税地の欄です。
申告や納税する時の登録地のことなので、納税地をどこにするかで管轄する税務署が決まります。
・一般的には住所地が納税地となる
確定申告は納税地の所轄する税務署に申告を行いますが、一般的には個人事業主であれば住民票のある住所地になります。
仮に生活の本拠は海外で、住所が国内にないけれど日本で活動している場所は居所地を納税地にします。
特例により、事業所を納税地にすることは可能ですが、その場合には「納税地の変更に関する届出書」が必要です。
納税地の下欄の「上記以外の住所地
欄には、住所地が納税地以外にある場合に記入する欄ですので記載抜かりの無い様にしましょう。
個人事業税のための申告書も提出が必要
なお、個人事業税を納めるために都道府県税事務所なども「事業開始等申告書」の提出が必要です。
仮に届出を行わなかったとしても、税務署に所得税の確定申告を行えば自動的にその情報が伝わる様になっているので、一定所得があれば個人事業税が課税されます。
・個人事業税の計算方法
ちなみに個人事業税は、収入から経費や控除などを差し引いた額に税率を掛けて算出します。
「(収入−必要経費−専従者給与等−各種控除×税率=個人事業税」
なお、家族従業員である専従者がいる場合は、一定額を必要経費とすることができます。ただし個人事業税には基礎控除などの所得控除、青色申告特別控除は適用されないので注意してください。
・個人事業税の計算で差し引く控除
各種控除に該当するのは、一律で適用となる「事業主控除」の290万円、それに状況に応じて適用となる「繰越控除」です。
事業主控除は1年間営業すれば一律290万円控除されます。
繰越控除は、
青色申告者で赤字となった場合の繰越控除
白色申告者で震災などにより損失が生じた場合の繰越控除
機械など事業用資産を譲渡したことにより生じた損失の控除と繰越控除です。
・個人事業税の税率
税率3%の業種は、あんま・はり・きゅう・マッサージ・指圧・柔道整復・その他医業に類する事業と装蹄師業で、税率が4%の業種は、畜産業・水産業・薪炭製造業などです。
税率は業種によって異なりますが多くの業種は5%で、中には個人事業税の課税対象にならない業種もあるのですがほとんどの事業は課税対象となります。
必要な書類の提出は忘れないように
個人事業主として開業した場合、届出などが必要になりますので忘れずに提出しておく様にしましょう。