HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化は、感染症で世界が混乱した時期と重なり不安に感じた関係者も多いでしょう。自ら調べてみると複数の認証機関があり疑問も生まれるでしょう。この記事では、HACCPの内容と認証機関の違いについて解説します。
HACCPはNASAが考案
Hazard Analysis Critical Control Point の頭文字 HACCP(ハサップ)、日本語訳=危害要因分析重要管理点。1960年代米国のNASAで考案された衛生管理の手法で、当時は宇宙食の安全性確保のためでした。
従来の手法は完成品に対して抜き取りで微生物培養検査が行われたため、食中毒の危険性を完全排除するのは困難でした。そこで原材料受入から製品化までの工程ごとに、危害要因を分析・その発生を防止する重要管理点を設定して記録・管理する手法が考案されました。
HACCPの管理手法では問題のある製品の出荷が未然に防止され、製品の安全性が証明されるものとなります。食品製造や流通がグローバル化している現代においても、食の安全を確保する標準の手法となっています。
NASAから世界へ
欧米では1990年代からHACCPの義務化が始まり、EUでは2006年に完全義務化となりました。日本では1995年にHACCPの考えに基づいた「総合衛生管理製造過程」と呼ばれる承認制度がスタート。2021年6月からの義務化は、圧倒的に遅れていると言えます。
認証・認定を行う意義
HACCPは衛生管理の手法として義務化されましたが、認証や認定を受ける必要はありません。しかし第三者からの認証により、行政が求める水準にあると提示できるのがメリットになります。どんな団体・組織がどのような認証をしているのか見ていきましょう。
総合衛生管理製造過程(通称=マル総)
厚生労働省による認証。清涼飲料水・乳・乳製品・魚肉練り製品・食肉製品・容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰、レトルト食品など)、対象製品が6種類に限られています。義務化の基準を満たすものとして信用性が高い。
地域HACCP
地方自治体が独自に定めた審査基準で認証。対象製品や適用範囲が限られているものの、取得しやすいのが特徴。
業界団体認証
製菓・製麺・食肉加工など専門的な団体による認証。適用範囲はその業種・業界に限られ、団体ごとにマニュアルや導入の手引書などが構築されています。
民間HACCP
民間団体による認定・認証。数多く存在し外部コンサルタント費用や人材教育などとして多額のコストがかかる場合があります。事例や手引書がない業種も多く、取扱製品によっては導入の難易度が高い。厳格な基準設定になっているマル総の代わりとして需要がある。
まとめ
HACCPは世界標準の衛生管理手法です。その導入によって食の安全が確保され、第三者による認証で消費者からの信頼を得ることにも繋がると言えるでしょう。自社の製品に合った認証を取得し、PRに活かすことをおすすめします。
菅野製麺所の皮類製造現場は、全国製麺協同組合連合会のHACCP高度化計画の認定を受けていますので、安心して召し上がっていただけます。餃子やシュウマイ、肉まん、あんまんなどの点心を家庭の食卓で楽しめます。こだわりぬいた食材と製法で作られたひと味違う点心をぜひご賞味ください。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。