2021年から、食品を取り扱う全ての事業において完全義務化されている衛生管理手法・HACCP。それによる安全性確保を図る上で重要となる箇所はCCPであり、その処置を確かなものとするためには、適切なCCP整理表を用いることが欠かせません。
HACCPの仕組みとは?
食品生産の現場において衛生状態を保全し、異物や細菌などによる健康被害を防ぐべく、1960年代アメリカのアポロ計画に伴って考案されてきた衛生管理方法。それがHACCPです。
そのコンセプトは、食品に内在し、食中毒などを引き起こす危害要因を特定し、それを除去あるいは低減するための方策を立て、実践するところにあります。HACCPの正式な取り組み方として定められている7原則12手順に則った食品管理を行うことによって、食品危害の発生を防ぐ仕組みとなっているわけです。
2021年からの完全義務化に伴い、食品関連事業において「HACCPに基づく衛生管理」(旧基準A)と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(旧基準B)の2タイプのいずれかを採ることとなっています。
基準Aは、規模の大きな食品取扱い現場に適用され、7原則12手順に基づく正規の取り組みを指します。基準Bは、飲食店など小規模な食品事業者に適用され、HACCPを簡略化した形式の衛生管理体制構築を意味しているわけです。
中心に位置付けられるCCP(重要管理点)
HACCPの取り組みにおいて最も重きを置くべき要の部分と言えるのが、CCP(→「重要管理点」の英訳頭文字)です。これは、食品に危険性を及ぼす腐食・異物・細菌などといった要因を取り除く工程を意味します。
そのCCPが充分に成されてこそ、HACCPを用いた衛生管理が確実なものとなるわけです。
HACCPの全工程を示す7原則12手順は、CCPを的確かつ有効に実行するための適切な進め方を示していると捉えても過言ではありません。
CCP整理表の役割
前項までの流れから、HACCPの目的は、危害除去に相当するCCP実施の確実性にあるとご理解いただけたのではないでしょうか。
そして、CCPによる効果を確認・検証し、後の衛生管理体勢維持あるいは問題点改善のために行うべきは、CCP整理表による記録と言えます。それによって、7原則12手順に則る工程がより有効に働くこととなるわけです。
CCP整理表作成において踏まえるべき点は、以下の通りです。
●想定される危害の選定:CCPで除去されるべき危険性を挙げる。
●管理基準:許容限界(危害要因残留が許される上限)を定める。
●モニタリング方法:許容限界の範囲内であることを確かめる手段。
●改善方法:管理基準から外れた場合の対応策。
●検証方法:危害除去・モニタリング・管理基準が適切かどうかを確認する方法。
これらの内容について、確認を行うことにより、危険性除去の水準が保たれることとなります。加えて、品質管理体制の更なる向上や、問題点の是正にも活かせることでしょう。
まとめ
以上のように、HACCPの基本的な考え方や完全義務化における実施基準など、基本事項を踏まえつつ、危険性除去の工程に当たるCCPについて、整理表に基づいて対応することが肝要であることを見てまいりました。適切に取り組んでいくことで、安全性の高さによるお客様からのご愛顧に繋げていくことも可能です。
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