食品安全認証スキーム「FSSC 22000」の食品に対する考え方とは?

日本で食に対する関心は高まる一方ですが、食品偽装問題など、異物混入など食品事故は絶える事がありません。しかし消費者が安心して食品を口にする事ができる様に、食品安全のレベルを維持・改善していく事が求められています。そこで設定された食品安全システムの規格が「FSSC22000」です。

ISO22000の取得では不足?

食品を直接的、間接的に取り扱う組織で幅広く利用される目的に開発された「ISO22000」を取得しても、手洗いルールに対する取り組みなどは会社ごとに差があるため全ての会社で衛生管理が万全だとは言い切れません。

そこで前提条件プログラムの基準としてできたPAS220とISO22000を組み合わせて開発した規格がFSSC22000ですので、ISO22000を補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格だと言えます。

大手の食品流通会社が取引先に求める規格

GFSIが取引先に認証を求めている認証スキーム規格の1つがFSSC22000です。

GFSIとは、世界中の流通・食品会社のうち、コカコーラやイオン、ウォルマートなど大手約650社が加入している組織ですので、FSSC22000を取得していることを取引先に求めるということは、一定以上の食品安全レベルを求めていると言えるでしょう。

FSSC22000の取り組み方法は?

FSSC22000の取り組み方法としてはISO 22000とほとんど変わりありません。前提条件プログラムを定めた上で危害分析を行い、管理点を明確化していきます。

ただしFSSC22000の方が項目を具体化しており、いくつかの事項が追加されています。そのためISO2200ではカバーできないアレルギー物質の管理やフード・テロ、食品安全要員の監視やサービス仕様などについても規定されています。

FSSC22000のメリット

FSSC22000を取得するということは、品質の高い安全な食品供給を重視していることの証明であると言えます。また、企業のブランド力やイメージ向上、評判を高めるといった部分でも期待できるでしょう。

取引先からの要求にも応える事ができ、市場に参入する機会を拡大させる事ができます。

そして規格を使用した認証によって、監査コストを削減できリコールなどのリスクも軽減できますので、結果として全体のコスト削減に繋がると言えるでしょう。

FSSC22000のフードディフェンスに対する考え方

フードセーフティは食品安全に影響を及ぼす事故や危害が起こらないために、衛生管理や温度設定を適切な状態に保つことです。

しかしフードディフェンスは予想外の攻撃から守ることですので、仮に悪意を持った人が侵入して製品に害のある物質を混入する事態を想定したとしても、実際に完全に防ぐことは難しいでしょう。

しかし原料を出したままにしない事などで予防できる部分はあります。警備員の配置などでフェンスを高くするより、まずは製品の管理を行うフードセーフティを優先していく必要があります。

FSSC22000でのフードディフェンスに対する考え方は、このようにフードセーフティとフードディフェンスを切り離さず、フードセーフティを万全に行う事によりフードディフェンスに繋がるという考え方です。

FSSC22000の取得で安心・安全・高品質な食品供給を!

適切な食品の安全管理のために、FSSC22000を取得している会社こそ、信頼性の高い会社だと言えるでしょうし、社会的信用を保つためにもアピール材料になると言えるでしょう。

様々なメリットがありますし、何より消費者にとって安心できる規格ですので、取得をすることが望ましいと考えられます。