FSSC22000とは製造業者を対象にした認証スキームで、食品安全認証財団による開発・運営がされています。
食品安全のために2010年2月、食品小売業界を中心として設立された非営利団体「国際食品安全イニシアチブ(GFSI)」に認証スキームとして承認されています。
GFSIは、世界の大手小売企業のCEOたちが消費者から信用を得るため、食品安全に関する世界基準を定めることを目的に設立された非営利団体です。そのGFSIが承認した認証スキームということは、信頼性の高さがうかがえるでしょう。
ISO22000を追加した規格
FSSC22000は、ISO22000にISO:TS22002-1(食品製造)、ISO:TS22002-4(食品容器包装製造)を追加した規格です。
ISO22000は、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格なので、国際的な取引が円滑化できるために製品やサービスを同じ品質・レベルで提供するための基準と言えます。
取得により海外取引条件を満たすことができる?
FSSC22000で要求されることは、文書や記録というよりも現場での管理方法です。それは現場での物づくりを基本とする規格であることを物語っています。
どのような方法により、食品を安全に提供するためのハザード管理を実施していくかが重要で、食品の安全をどう担保していくかを主体としています。
そのためFSSC22000を取得することにより、海外の大手食品や大手小売業などメーカーとの取引条件を満たすことできる可能性が出てきます。
他にも様々なメリットが!
また、適切な前提条件プログラムを構築した上で運用することにより、食品をハザードから守ることができます。それによりこれまで以上に食の安全や信頼を獲得できるでしょう。
統一された規格による管理を実施することで、取引先から二者監査を受ける負担や費用を低減できれば、結果としてコスト削減に繋がります。また、製造工程が透明化されることで作業効率も改善されます。
現在どのくらいの企業が取得している?
現在のFSSC 22000の認証状況は、全世界16,594件、日本では2017年7月時点で1,367件です。
認証取得に向けて取り組む組織は年々増加傾向にあることから、いかに食品業界にとって重視されている規格なのか理解できるところでしょう。
今後は国際的基準となる可能性大!
現在、FSSCの審査や認証対象カテゴリーは食品製造、食品包装材料製造です。ただ、フードサプライチェーン全般をカバーできる承認手続きが進むなど、さらなる拡大が予想されます。
FSSC22000は民間機関が認証を実施しますが、今後は食品衛生の国際的基準となる可能性もある規格です。